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「てなわけで短い間でしたがお世話になりました」
「そうかい、好きな人ができたのかい、よかったねぇ」
「はぁ」
「少し淋しい気もするが、ほら、私はこどもが娘ばかりで、息子ができたみたいで嬉しかったというか」
「? 息子がいたら息子とセックスすんの?」
自分の失言に頭を掻いて大手企業の管理職を担う中年リーマンセフレは冬森とにこやかにお別れ、した。
「そう、残念だけど仕方がないね、冬森君」
冬森は面接室で初めて恥部を曝さずにテーブルに腰かけていた。
突っ立っている村雨先生は肩を竦めて笑ってみせる。
「でも、もしも物欲しくなったらいつでもおいで? いつでも歓迎するからね」
「はぁ」
「それから二回目アンケート結果で一位になった、みんな大好き犬猫動画◎撮って撮って撮りまくれ上映会、いいと思うよ、あれでいこう」
「編集は先生に任せマス」
なんつー後腐れのなさ、さすがお手頃対象、あくまで下半身処理係。
まーあの人達にとって俺もそうだったんだよな。
冬森は現在進行形でよからぬお付き合いのあった面々には直接お別れを切り出した。
次に合コンツールにしていたグループ、不健全性生活において親しかった男女の「友だち」など、交流が途絶えていた面々はポチポチポチポチ削除しまくってメールアプリ内を迷いなく整理した。
さーこれで身綺麗になったなった。
別に天音に告るとか、そんなつもりじゃねーけど。
まだ知り合ったばっかだし、今の関係、居心地いーし、天音がどんな奴なのかもっと知りてーし。
別に焦る必要ないだろ、うん。
なんか忘れてる気もすっけど、うん。
「ふーゆーもーり♪」
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