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「……冬森」 「あれー、冬森のクラスの地味クン、じゃなくて天音じゃーん、いきなりどしたの?」 「……冬森の性器に何か刺さってる」 「ぶっ。性器だって、おじょうひーん」 腹は据えたものの、メガ恥ずかしくてギガ恥ずかしくてテラ恥ずかしい冬森は。 とてもじゃないが扉を開けた天音と視線を合わせられずに俯きっぱなし。 会話など到底無理だった。 「……夏川、何をしてるんだ?」 「何って、見てのとーり、ナニですけどぉ?」 「どういう意味だ」 「だーかーらー、俺と冬森、こっそり愛し合ってたのぉ」 そんなんじゃねー、そんなつもりじゃねー。 でもなんも言えねー。 チンコおっ勃たてたこの状況がどんな言い訳も嘘くさくすんのは目に見えてっから。 「だーかーらー、天音、あっち行って? 邪魔」 掃除用具の点検中だったため、ロッカーから取り出していたフロアモップをついつい持ったまま、ここまでやってきていた天音は。 ぐちゃぐちゃの制服姿で洋式トイレの蓋上に座って項垂れている冬森を、伏し目がちに、戸惑いがちに、見つめた。 「じゃあ、どうして、俺を呼んだ」 「はっ?」 「お前と、あ……いし合ってる最中にどうして俺を呼ぶ必要がある」 「そーれーは……、……からかうつもりで?」 「からかう?」 「うん、そーですけど?」 「そんな風には聞こえなかった」 「はぁい?」 「俺のことを冬森は本気で呼んでいた」 「は? なにそれ、どーいうイミ?」 「お前、嘘を言っていないか、夏川」 真っ直ぐ目を見て問いかけてきた天音に夏川はたじろいだ。 ただでさえ二人でも狭い個室に一歩足を踏み入れた天音は口を濁す夏川から冬森へ視線を移し変えた。 「冬森」 「……ッ」 「大丈夫か?」 天音、天音、天音。 こんな俺見て、お前、どう思ってんだよ? ヒいてんだろ? 軽蔑すんだろ? なぁ、天音? 「とりあえず、これを……抜かないと」 未だに弱バイブレーションを刻み中の尿道バイブ、初めて目にするえっちな道具の扱いがまるでわからない天音、そんな彼の長い指が冬森のペニス先っちょから露出している取っ手部分に触れようと……。 「さっ触んな…………ッッ!!」

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