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4-春海が秋村が
「夏川って冬森のことガチで好きだったんだな」
「そうですね」
「それに気づかないでシまくって、あっちこっちフラフラして、冬森って罪な奴だよな」
「そうですね。何から何まで春海の言う通りです」
「いつかバラバラになる日が来るとは思ってたけど、まさかこんなかたちで迎えるなんてな」
「いつかバラバラ?」
「卒業とか、就職とか、自然な流れで、って意味だよ」
「自然な流れ? 自然消滅、そういう意味ですか?」
「いや、その表現は妥当じゃない感じが」
「嫌ですよ、春海、離れ離れなんて嫌です」
175センチの秋村に全力で抱きしめられて、気恥ずかしいものの、その腕の中に溺れるように甘んじてしまう小柄な春海……。
「あ……っ秋村、ぁ、てめ、はや……ぃッ!」
秋村宅の秋村部屋、春海は秋村ベッドの上で押し開かれた太腿をぴくぴく震わせ、らぶらぶ正常位えっちに顔をまっかにさせた。
すぐ真正面で切なげな表情をして自分を覗き込んでいる秋村に、つい、喘ぎながら見惚れてしまう。
「……お前、って、こーいう時でもイケメッ、ンンンン!」
ちゅっとキスされて、くちゅくちゅ舌を絡めとられて、シャツ下に潜り込んだ指先にきゅっと乳首をつねられて。
春海は全身を火照らせて感じまくってしまう。
「ぁ……っ秋村ぁ……っあん……!」
そんな矢先に聞こえてきた不穏なる音色。
ガチャガチャ!
「……瑞絵 さん、帰ってきました?」
「お前ッ、今日は遅いんじゃなかったのかよ!?」
「そのはずですが……あ、マズイです」
玄関扉が開かれた後、自室扉がガチャリと開かれるのと同時に、秋村は自分たちの真上に羽根布団をばさりとかけた。
正に間一髪。
「おかえりなさい、瑞絵さん」
「お、お邪魔、してます」
仕事帰りにレイトショーを見てくるはずだった秋村の母親は、予定を変更し、立ち飲みイタリアンを満喫してDVDをレンタルして帰ってきたという。
挨拶が済んでドアが閉ざされ、リビングへ向かった足音に、ベッドの中の二人は胸を撫で下ろした。
「危なかったですね」
「死ぬかと思った……おい、もうやめるぞ、続けるのムリ、てか早く抜けよッ」
「大丈夫ですよ、今から大音量で映画を見るはずですから……続けましょう?」
「は? あッばかッやめ……ッ」
「やめるのが、今の僕には無理です、春海……」
布団にすっぽり覆われた秋村、肘を突いてやはり春海の顔を見ながら、それはそれは激しく腰を突き動かした。
春海の入口を捲る勢いで案外むっつりなペニスで一番奥を連打、連打、連打。
「~~ッぁ……ッ~~……ッ!」
「声を我慢する春海、可愛いです……」
「うるさ……ッ! ッ、んッ!」
「イク春海もとても可愛いから……早く見せてくださいね?」
「あん……っ……秋村ぁ……ッ」
「春海、ほら、一緒に……」
「あ、あ、あ…………ッッッ!!」
『うぎゃぁぁぁアアアッア゛ッオェ゛エェ゛ッ!!』
「ホラー映画、春海君も見る?」
「……俺、結構です」
「ほらね、これならちょっとの喘ぎ声くらい大丈夫でしょう、春海?」
「おいっ……まぁそうだな……うわ、血が……うぇッ」
スプラッタホラーに夢中な母親の背後で青ざめる恋人にこれまたムラムラ見惚れる隠れむっつりな秋村なのだった。
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