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背中から抱きしめられるように、その両腕の中に閉じ込められた。 振り向きざまのキスだった。 不意打ちの出来事に目を開けたままでいる冬森の視界には閉ざされた天音の瞼が写り込んでいた。 ……こいつ、睫毛、長ぇ。 そんなことをぼんやり考えていたら、冬森の視線のすぐ先で、天音はうっすらと目を開けた。 唇と同様に二人の目線も重なって。 目が合うと何だか無性に疼いてしまって。 体の中に漲る熱がさらに上昇して。 ……くちゅ ……ん、天音の舌、が。 ……俺の口んなか、はいって、きた。 手探り状態じみた動きでおもむろに唇内に訪れた天音に冬森は……歓喜する。 歓迎してやれば、どこか苦しげに眉根を寄せて、でも勢いづいて、天音は大胆になった。 まじで、今、天音とキスしてる。 舌と舌がくっついてる。 天音の唾液で唇が濡れてく。 「は……ぁ」 天音が喘いでる。 すげー、コーフンする。 もっと濡れたい。 天音に濡らされたい。 「あ、ま……ね」 冬森が濡れかけの唇で名を呼ぶと天音の長い睫毛が眼鏡の向こうでビクリと痙攣した。 ぐいっ 体の向きを変えられたかと思うと、抱き寄せられて胸と胸も密着し、上背のある天音の懐に冬森は丁度良くおさまった。 さっきよりも上下に唇を開いて誘い込んでやれば、互いの隙間をなくすみたいに、パズルのパーツを繋ぎ合わせるみたいに、天音の舌が冬森の口を満たした。

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