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「!」 冬森に触れられて天音は純和風まなこを見張らせた。 「天音、勃ってる」 「……冬森、俺はいい」 「は? 何言ってんだ?」 もぞりと天音の肩から頭を起こした冬森は、褐色頬を紅潮させ、笑いながら天音を睨んだ。 「童貞のくせ先に俺のこといかせといて。お前はいかねーの?」 かたちを確かめるように、ゆっくり、上下に何度か掌をスライドさせる。 やや力を込めて圧迫するように掌を押しつけてみる。 「あ……」 「……へぇー……天音、そんな顔すんのかぁ……」 かわいー、すっげー、かわい。 ガッコの誰も知らねーだろーな、こんな天音の顔。 俺だけが知ってんだろーな。 「な……これ、見せろよ……?」 どこか苦しげな表情の天音に胸底やら下半身を疼かせながら冬森は急いた手つきでベルトを外した。 ためらいがちに彼の肩に置かれた天音の手はそれ以上の力を込めてこない。 ホックも外してジィーーーーとファスナーを下ろせば、地味色ボクサーパンツを盛り上げる、天音の熱源。 ついゴクリと喉を鳴らした冬森が手を伸ばす前に。 天音は自ら取り出した。 ………………俺よりでか。 だよな、こいつ身長あるし、てか童貞の割にえらくご立派じゃね? 「……お前ほんとに童貞クン?」 「……あのな……」 「大体さ、体育祭ンときから思ってたんだけどよ、なんかいろいろこなれてねーか? どこで覚えやがった、マニュアルでも読んだわけ?」 「まさか」 人前での恥部露出に当然慣れていない天音は冬森から微妙に目線を逸らし、眼鏡をかけ直した。 「こんな衝動、生まれて初めてだ」 不慣れな欲望に狼狽えながらも。 怖いくらい冬森にのめり込んでいく。

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