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冬森はソファ上からラグの敷かれた床へ滑り落ちるようにして降りた。 「……近い、冬森」 天音の両足の間に座り込んで、ぐっと顔を近づけ、天音の童貞ペニスを至近距離からじっと見つめた。 ちょっと濡れてんな。 えろい。 筋、出てっし。 きれーな色してんのな。 「……わざわざ感想を口にしなくていい」 「あ、俺、口に出してたか?」 冬森は天音に触れてみた。 濡れかけている先っぽに指を絡め、様子を窺うように、そっと擦ってみた。 「ッ」 「あ……びくってしたな……天音の」 相変わらず長袖シャツを肘までたくし上げ、制服ズボンをこれでもかと乱した冬森にペニスをいぢられて、天音はまたため息をつく。 「……はぁ……」 「……お前、そのため息、えろいって」 「……え?」 「いぢめたくなるくらい、かわいーわ、なんか……」 台詞通り、ちょこっとイジワルそうに笑った冬森は。 天音の先っぽをぺろっと舐めた。 「あ」 柔らかな、濡れ渡った、冬森の舌が。 いつになく硬く脈打つ性器の先端に纏わりついてくる。 「ん……」 「初めて、なんだよな?」 「……ああ」 「触れられんのも、舐められんのも?」 顔を火照らせた天音が頷くと冬森は普通に笑った。 上下の唇を艶めく先っぽにぴたりとくっつけ、舌先で円を描くように舐める。 伏し目がちに、裏筋にも唇をかぶせ、はむっと食いつく。 「あっ」 「……ここ、感じんだ、天音?」 根元に片手を添えて支え、硬く勃つペニスに唾液をしつこく塗りつける。 カリ首をなぞるように舌をそよがせる。 しまいには。 躊躇なく先っぽを頬張って、舐めながら、思いっきり吸った。 「ッ……冬森、無理しなくていい……汚いから」 音を立てて吸う冬森に片頬を引き攣らせて天音は言った。 肩にあてがっていた片手に少し力を入れ、遠ざけようとする。 すると冬森は天音を咥えこんだまま、かりっと、歯を立てた。 「ッ! ふゆもりっ」 成す術もなく感じざるをえない天音の視線の先で、冬森は、頬張っていた先端を吐き出した。 冬森の唾液に濡れてさらにつやつや光る熱源。 一番濡れている部分に中指を押し当て、クチュクチュ、冬森はわざと音を鳴らした。 「汚いって、天音は、思ったか?」 鈴口から指を離せばカウパーが最初は糸を引き、さらに離すと、とろりと滴った。 「俺のチンコ、触って、汚ねー、もう触りたくねーって、思ったのかよ?」 笑うように天音を睨みながら、冬森は、天音の透明な雫で濡れた指に舌を這わせた。 第一関節、第二間接まで口に含んで、綺麗に舐めとった。 「お前、無理して俺に触ったのかよ?」 「……違う」 触りたかった。 感じてほしかった。 「だろ?」 綺麗に片づけられたワンルームに卑猥な音色が響き渡る。 「あ……っ冬森、さすがに……っもういい、もうやめていいッ」 「んぶ……やら」 「こら、冬森……ッあ!」 勢い任せに一段と強く吸われて天音は苦しげに呻吟し、項垂れた。 癖のない黒髪がさらりと虚空をなぞる。 「あまね、らひて?」 しごかれて舐められて吸われて、しごかれて、舐められて、舐められて、吸われて。 冬森のあたたかな口内でのたうつ天音の純潔ペニス。 えろあほな舌に攻められて絶命寸前さながらに脈打った。 「ふゆも、り……っあ、もう、ほんと、うに……ッ……あッ……!」 「んッッッ!」 冬森は目を見開かせた。 ごぷりと喉奥に溢れ返った苦味。 粘膜にこびりついた白濁雫。 瞬時に目をやれば切なげな顔をして仰け反った天音の(おとがい)が視界に写った。 天音、お前って、ほんと……。 冬森は絶頂に達した天音に見惚れながら彼の欠片を全て呑み込んだ……。

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