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12-2
爪に覆われた指先に加減して噛みつく。
硬い爪と柔らかな指、それぞれ違う感触を上下の歯で愉しむ。
とんだイタズラえろあほ冬森猫を天音はそっと叱った。
「こら……」
どんだけ甘いんだよご主人様的な天音、イタズラえろあほ冬森猫の唇から指を引き抜けば、唾液の糸がぷらーんとぶら下がった。
「にゃー」
「全然、似てない、冬森」
「にゃー」
冬森はソファに座る天音にのしかかるように乗り上がってきた。
173センチで華奢じゃない褐色男子は飼い猫、というより、クロジャガーかクロヒョウといった肉食ネコ科に近いものがあった。
「きたねー雑巾、真剣に洗ってたときから」
「……いつの話だ?」
「お前の手、味見してみたかったのかも」
かろうじて引っ掛かっていた制服ズボンが完全に脱げ落ちた。
丸みもない、柔らかくもない、全くもって男子高校生らしい健やかな足がモロ出し状態になった。
「俺、あっち行きてー」
冬森が顎で指し示した先はワンルーム隅に設置されたベッドだった。
「あっちがいー、天音」
「……」
「お前、嫌 ?」
「……」
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