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ぎりぎり歯を噛み締めた天音は。
髪を撫でていた冬森の両手をシーツに縫い止めるなり、出せるだけの力を、一息に込めた。
「「あッッ…………!!!!」」
二人の唇から切ない断末魔じみた声が同時に漏れた。
冬森に深々と突き立てられた天音のペニス。
互いの結合部が激しく悶えた。
「「はッはぁッはぁッぁッはあッ」」
紡がれる過呼吸じみた息。
ずきずきと狂的に疼く腹の底。
「あ……ぁあぁぁ……ッあま、ねの……ッばかやろ……ッてめ、不意討ち、スギッ……あ、ぅ、う、う゛」
不意討ちの突撃に冬森はドライで達してしまった。
肌蹴たシャツの狭間に覗いた、頻りに波打つ褐色腹。
その真上で透明糸を切らすことなく紡ぎ続けるえろあほペニス。
「ばか……ッ、ばーかばーか……ッえろめがね……ッ、ッんむ!」
冬森への初挿入に滾る余り、理性がログアウトした天音は、憎まれ口を叩く唇を奪って、本能ログイン状態で、動き出した。
「んッ、んーーーッ! んーーーーー……ッ!!」
天音の、天音のに、突かれてる、ぐちゃぐちゃにされてる、すげ、なにこれ、すげ、すげ、きもちい、きもちい、きもちい。
限界まで胸を反らして冬森は天音に突かれる度に甘い嬌声を零した。
「んっ……いいっ……すげぇッ、いいっ……天音、ぇッ、天音ぇ……ッ」
涙とよだれで顔をぐちゃぐちゃにして自分を呼号する冬森に天音の欲望は鮮やかに開花する。
『えーと、天音? お前って転校生?』
『あー、へー、ふーん、わかんねぇ』
『天音、俺のこと軽蔑して、距離とったわけじゃねーの……』
『もう俺に触んねーの?』
『お前、無理して俺に触ったのかよ?』
『欲しいんだよ、天音……ッ』
今、冬森と、ひとつになってる。
もっとどこまでも深く繋がりたい。
「冬森……ッ」
シーツに縫い止めていた手首から、掌へ、虚空でもがいていた指に五指を絡めて、きつく握った。
「ひッぁ、ぁッ、あ゛ッ、ぁッ、ッ、ッ、あまねぇ……ッ」
激しく揺さぶられながら冬森もきつく天音の手を握り返した。
奥まで届く悩殺律動、絶え間ない摩擦にとろとろになって、えろあほペニスは限界まで張り詰めて。
「あ……ッぃ……ッいくッッッ!!」
「ッ」
冬森は全身をガクガクゾクゾク震わせて達した。
褐色肌に白濁飛沫をたんまり飛散させた。
急激に強まった締めつけに天音も我慢できずに……絶頂へ。
悶々とせめぎ合う粘膜の狭間でペニスを派手にぶるつかせて、中出し……してしまった。
「んッッッ!!」
肉奥であからさまに悶えて跳ねる天音のペニスに冬森は逐一反応した。
「あ、あ、あーーーー……天音、の……あつい……ッ」
天井のどこか一点を見つめる霞んだ目、唇は上下とも濡れそぼって、肌のどこもかしこも汗ばんでいて。
褐色を点々と白く濁す雫。
残滓をしぶとく弾くペニス。
射精絶頂を長々と貪っている脱純潔ペニスを奥深くまで咥え込んだまま、きゅんきゅんしっぱなしの、本命にはどこまでも従順な仮膣。
中てられる。
「……まだ硬くね?」
何も言えずに低く喘いでいる天音に冬森は満更でもなさそうに、板についたえろあほ顔で、問いかけた。
「どーなることかと思ったけど……予想以上じゃないデスか、天音サン……?」
引き締まった褐色腹を撫で擦り、自分のなかで未だ硬く勃っている天音を外側から刺激してみた。
「あ、冬森……」
「今日、泊まってくわ」
「え……?」
「んで、朝まで、な? 天音?」
えろ過ぎる冬森に誘われるがまま、天音は、褐色クラスメートに再び覆いかぶさった……。
ちゅんちゅん、朝ちゅん。
「……ほんとに朝までシてんじゃねーよ」
綺麗に片づけられた部屋の中、のはずが、ベッドとその周辺だけ異様にとっ散らかっている、朝を迎えたワンルーム。
「? 冬森が言ったから」
素っ裸に眼鏡だけかけた天音の言葉に喉がすっかり嗄れてしまった冬森は苦笑した。
「えろ眼鏡」
「そうだな」
「……ばーか」
「そうだな」
毛布をかけられてベッドに力なくうつ伏せている冬森に天音は問いかけた。
「あそこのパン、買ってこようか」
「にゃー」
「どれがいい?」
「タルタルものならなんでもいー」
「わかった」
外出のため服を着ようとベッドから降りかけた天音の手首を冬森はぱしっと掴んだ。
「俺が寝たら買いに行ってこい、んで、起きる前に帰ってこい、ダッシュで」
あほクラスメートのひどすぎるワガママに眼鏡男子は思わず笑った。
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