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『これは、あの時、冬森の……に突き()さっていた、』 『そーそー、冬森ね、尿道攻められんのがだーいすきなの』 『痛いだろう、こんなもの』 『あん時、冬森、痛がってるよーに見えた?』 『……』 『まー軟弱童貞クンには使いこなせないかもねーあはは!』 『……』 『あはははは! んごッ!?ぶはッ! 気管にはいった!』 「天音、なんでそれお前が持ってんの?」 「夏川にもらった。豆乳を飲みながら笑いながら噎せた後、俺にくれた」 「なんだそりゃ……」 ブランチ後、ソファを占領してだらだらしていた冬森に天音がスクバから取り出して見せたものは。 尿道バイブだった。 夏川がネット通販で購入したオトナのオモチャ、尿道に挿し込む部分はぼこぼこビーズ形状、ステンレス製、紛うことなきエログッズだった。 「これなー、どえろ夏川、あいつポッキー攻めで味締めやがって。こんなんにまで手ぇ出したんだよなー、まじどえろ」 「ポッキー?」 「俺の尿道にポッキー挿しやがったんだよ」 天音のトレーナーとスウェットを着た冬森は、ソファに腹這いになり、受け取った尿道バイブを繁々と眺め回していた。 床に座り込んだ天音はそんな冬森をじっと見る。 「村雨先生にもポッキーを使われたのか」 「村雨っち?」 「……いや、なんでもない」 「ほら、この蓋きっちり閉めたらバイブのスイッチはいんだよ」 冬森は本当にこれが好きなのだろうか。 こんなものを尿道に突き挿すなんて、どう考えても痛いとしか思えない。 しかも食べ物まで……夏川の思考はどうなっているのか……。 「使ってみっか?」 「え?」 なんでもないみたいに冬森は天音にそう問いかけた。

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