ギシッギシッギシッギシッ 世界が破滅に向かっているかもしれない絶望的状況下で俺は何をしているんだろう。 いや、冬森を救うためだ、集中しないと。 「んぐ……ッんーーーッんーーーッ」 冬森には彼自身のネクタイで猿轡をした。 噛みついてこようとするのだ。 可哀想だが、自分を噛んだことで冬森の罪悪感が増さないよう、天音は仕方なくそうした。 生死に関わる危機的状況だからだろうか。 子孫を残そうという本能が高まり、天音の下肢はすんなり発情に至った。 指と唾液で馴らした冬森の後孔に潜り込んでいる。 襞を拡げきって奥を貫いている。 「ん……っく……んぐーーー……ッ」 冬森が感じてくれていることで萎えずに済む。 露にした下半身の中心で、とろりと蜜を滴らせて、ぴくぴく震えるえろあほペニス。 罪深い食欲を忘れるくらいの快感に支配されればいいと、そっと握りしめ、突きながら、しごいた。 「んっんっんっんっ！」 世界破滅の前奏が開始されているのも忘れて、天音は、しっとり汗ばんでいく褐色肌に見惚れた。 突き挿したペニスがキツイくらい奥壁に挟み込まれ、搾り取られるような肉の吸引感に、自然と呼吸が上擦る。 猿轡された冬森の倒錯的ヤラシサに性欲が募っていく。 射精(で)そうだ。 「……っふゆ、もり……ッ」 もっと奥へ奥へ捻じ込んで、小刻みに欲深く傲慢に突き上げて、ひたすら突き上げて。 ぶるりと奮い立ったペニスから冬森の最奥目掛けて注ぎ込んだ。 「んっんっ……んぅ……んっ！！」 冬森も身を捩らせて達した、肌蹴ていた制服シャツの狭間に、覗いていた褐色肌に白濁雫が飛び散った。 唾液でびしょびしょになったネクタイを噛んで切なげに呻吟し、びくびく、微痙攣を繰り返す。 ……これで元に戻っただろうか？ 「……冬森……？」 びしょびしょネクタイを外してやれば、冬森は、左右に首を振るのだ。 「まだ……ッ食べたい！」 「そんな」 「だから……ッまだ……ッもっと俺に射精せ、天音……ッ！」 そもそも本当にこの方法で合っているのかどうか。 「冬森、別にいい方法があるかもしれない」 「も……ッいいからぁ……！　俺に射精せッ！！」 達したばかりで息が荒い赤ら顔の冬森は睨むように天音をじっと見つめた。 「お前の欠片で……俺んなか……きれいにしてくれよ、天音……？」 「ああああ……っだめ、もっとぉ……！　もっと射精せぇ、天音ぇ……ッ！」 「まだ……ッあ、ん、熱ぃ……ッでもッ、まだッ、もっと……！」 絶頂に悶えるペニスと、貪欲えろあほアナルの狭間から、卑猥に零れ出る白濁泡。 「あ゛ーーー……ちょおらい、天音ぇ……？　もっとブチ込んで、俺の腹んなか、きれーにしろぉ……」 白濁泡のこびりついたえろあほペニスが新たな白濁泡でねっとり染まる。 喉元をヒクヒク震わせ、よだれ塗れの唇で、冬森は天音にまた願う。 「天音、早く……次……次ぃ……」 お縛りおねだり褐色男子に驚異の回復力で滾る眼鏡男子。 抜かずに、収縮する肉壁奥でゆるゆるしごかせ、硬く勃たせたペニスを。 また冬森のなかに叩きつける。 「ふぁぁぁぁーーーッ……すご、ぃ……ッ天音の、ずっと熱ぃ……ッあ゛……あ゛……あ゛……あ゛……！」 ドライ、ウェットを繰り返して冬森もまた絶頂し続けていた。 全力で自分を元に戻そうとしてくれている天音の想いに、スタミナ溢れる連続吐精に、心も体も興奮しっぱなしだった。 「なか、ぁ……どろどろンなって、る……ッ天音ので、腹ンなか、すげ、いっぱい……」 「冬森……もし元に戻らなかったとしても……」 「あっあっ天音ぇっぁっぁっあっ」 「ずっと……一緒にいる……一人にしないから……」 ばーか。 これ以上泣かせんじゃねーよ、天音め。 「腹へったー」 「……冬森」 「とんかつ食いてー、エビフライ食いてー、魚フライ食いてー」 「冬森」 純人間の天音エキスがゾンビ菌をやっつけた。 愛が絶望に勝ったのだ。 「よかった、冬森……」 「あ」 天音にキスされかけた冬森は咄嗟に顔を逸らした。 「どうした……？」 「いや、だって……一応元に戻ったっぽいけど、もしもチューして、お前がゾンビ化でもしたら」 「そのときはすぐに冬森を噛むから」 「はぁーーー？」 「そして一緒にゾンビになってずっと一緒にいればいい」 天音の奴、こんな自己中度高かったっけ……？ 「嘘だよ、その時は冬森が俺を殺せばいい」 「……ばかやろー、くそばか、しね」 「ごめん」 天音は冬森にキスした。 もちろん、ゾンビ化、しなかった。