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22-冬森が天音をお泊まり招待するゾ

■このページのみ顔文字を多用しています ざあああああああ 校庭が水浸しになるほどの大雨。 放課後、一日中降り続いていた雨が一段と強まり、冬森は帰る気が削がれて教室で雨脚が弱まるのを待っていた、当然ながら天音も道連れにされていた。 「また強くなってねぇ?」 「梅雨みたいだ」 そこへ。 「冬森ー♪雨すっごいね! やばくない!?」 駆け足でやってきたBクラスの夏川が冬森の首にしがみつき「ぐえッ」となる冬森、向かい側にいた天音は俯きがちに眼鏡をかけ直した。 そこへ。 「お、まだいた」 「ひどい雨ですね」 Aクラスの春海と秋村もDクラスへやってきた。 ざああああああ 「春に早くなんねーかな」 「夏になったら海行こー!」 「秋は紅葉狩りですよ」 「冬の雨とか暗ぇ、冷てぇ、うぜぇ」 気のおけない春夏秋冬、天音だけ、どしゃ降りで外の様子さえわからない窓の外を向いていた。 「おい天音ぇ」 「なんだ冬森」 「お前も海来いよな」 「え゛ーーーーーー! はんたーい!」 「小学生か、夏川」 「春海の言う通りです、大人げないですよ」 「俺は泳げない」 「じゃーこの俺が手取り足取りじっくり教えてやんよ」 「夏川、天音に浮き輪貸してやれよ」 「こんなのっぽやろーに貸したら破裂する!」 「春海、乳首だけは隠してくださいね? 僕だけの乳首なので。両方に絆創膏貼ってくださいね?」 「誰が貼るか、俺の乳首は俺だけの乳首だ」 ざああああああ 「あーーー腐る腐る腐る腐る、雨降り過ぎンだよ、いつ止むんだよ、クソうぜぇ」 「止むのを待っていたら一泊することになりそうです」 「誰かおもしろい話しろ、笑えるやつ、このジメジメが吹っ飛ぶくらいの」 「じゃあ僕がしてあげようか、冬森君」 「ぎゃ……ッ! いきなり後ろから何だよ!?」 「いや、村雨センセ、視界には入ってたんだけど、なぁ秋村?」 「冬森、驚くかと思いまして。驚いたら面白いかと思いまして、ねぇ春海?」 「お前等性格悪ッッ」 「じゃあ、面白い笑える話、僕から一つ提供させてもらおうかな」 ざあああああああああああ 「……という話」 「ば、ば、ばっかやろぉ……ッ怖ぇ話だろ! 今のぜってぇ怖ぇ話!!」 「春海、今の話は実話ですか?」 「俺に聞くなよ」 「実話かどうか? さあ。どうだろうねぇ」 「はぐらかすなーーーー! てかしょんべん行きてぇ!」 「小学生かよ、冬森」 「漏らされたら困ります、早く行ってきてください」 「怖くて一人で行けねぇ」 「俺がいっしょ行ってあげるーーー!!」 「先生が同行してあげようか、冬森君」 「夏川も村雨っちもいらねぇ、天音ついてこい」 「……本気か、冬森」 ざああああああ 「冬森、そんなにしがみつかれたら歩きづらいんだが」 「おま……ッあんな怖ぇ話ぶっこまれてよくそんな眼鏡ヅラでいられんな!?」 「……あのな。俺はここで待ってるから」 「え、え、え、なか、ついてきてくんねぇの?」 (□-□;) 「怖かったーーーーーッ」 「ちゃんと手は洗ったか」 薄暗い廊下、シューズの裏がやたらペタペタ鳴った。 「あー怖ぇ怖ぇ……」 冬森は怖がりなんだな。 こんなに俺の腕に力いっぱいしがみついて……何だか……可愛いな。 えろあほ男子の怖がる様に天音は悪戯心を催した。 こんなことってめったにない。 他人が嫌がる行為を天音自ら進んで行うなど。 『うわーーーーッばかーーーーッ殴るぞ、天音ーーーーッ!!』 冬森相手だと、ついつい、おもらし寸前まで追い詰めたくなるように、どうしようもない欲求に駆られてしまったりする。 「冬森、村雨先生のさっきの話には続きがあるんだ」 日頃から読書を嗜んでいる天音は村雨が話したこわ~い話に……即興でさらに、やだな~やだな~こわいな~的後日談を付け足した。 すると。 (´へ`。) 「……冬森、泣いてるのか?」 ゜。(。/□\。)。・゚ 「ふゆも、」 「きょっ今日ぉ、もぉ、一人で寝れねぇ……ッ」 「そんな」 「一人で風呂入れねぇッ」 「冬森」 。・゜・(/Д`)・゜・。 「なんだ、どーした」 「げ! 童貞クンが冬森泣かしてる! 信じらんない!」 「痴話喧嘩ですか」 「うううう、しゅ、周太(しゅうた)にいっしょ風呂入ってもらう、いっしょ寝てもらうッ」 「ッ……それは誰だろう、冬森」 「おっおっ、俺の激バカ弟……っ」 (□-□*) 「今日は俺の家に泊まっていいから、冬森」 (□-□*)人(´A`。) 弟、か。 この間、風邪を引いた冬森のお見舞いに行ったときに応対してくれて、短い挨拶を交わしたくらいだ。 確か大学生のお兄さんもいるんだったな……。 次の日、夏川は村雨先生に聞いた怖い話を中学生コンビの亜砂と櫻井にも聞かせてみた。 「うーん。怖いけど」 「放課後、モップ持って……校内、ウロウロ、徘徊してるセンパイの方が……もっと怖い」 「だよねー♪ すっごぃわかるー♪」

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