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急にぽかぽかあったかくなってきた冬森は不思議そうに首を傾げた。 適温湯船に覚えるようなぽかぽか感は、そして、湯当たり必須な熱湯風呂が持つような熱さへ急変する。 頭の中がぐらぐらぐらぐら。 全身カッカして満遍なく発熱した。 「え、え、え……? なんだこれ……?」 急な発熱に冬森は戸惑う。 夏川は混乱する愛しの同級生を黒笑顔で見つめた。 「な、夏川、お前ちゃんと手ぇ洗って作ったのかよ……? 変なバイ菌入ってたんじゃね……?」 「ばい菌? ひどいなー、ちゃーんとおててキレイキレイして作ったよー?」 「……ほ、ほんとかよ?」 「もちろん! そりゃもー、丹精込めてねー、隠し味に媚薬使ってねー♪」 び・や・く? 「あーん、冬森ぃ、どしたの? なんかつらそ。だいじょーぶ?」 席に着いたまま硬直している冬森の額に夏川が掌を宛がった、それだけで冬森は。 ぶわわわわわぁ 「ひっ?」 発熱した全身を駆け抜けた、戦慄にも似た、暴力的エクスタシー。 「おま、お前、夏川、てめ」 「あれー、冬森あつーい、お熱出たのかな? 初めての媚薬がモロに効いちゃったかな?」 両頬をするする撫でられてビクビクする冬森のお膝に了解も得ずに座った夏川。 冬森のとろーんとした双眸、冬森のすべすべ褐色肌、冬森の震える唇、冬森の全てに黒笑顔がもう止まらない。 「冬森ぃ、冬森の奥まで愛情たっぷり介抱してあ・げ・る♪」 「ぎゃ……ッさわんな……ッあっち行けッあ、あ、あまッ、んぶッ」 咄嗟に愛しのクラスメートを呼ぼうとしたら夏川の片手がすかさず冬森の口を塞いだ。 「んぶぶッ」 「しー、それは禁句、でもまー、あさちゃんさくちゃんに指示は出してるけどね」 「んぶッ?」 「ここに近づかないよう食い止めろ、ってね」

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