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「媚薬? そんなバカな話が」
「そんで、もう、おれぇ……はぁはぁ、天音ぇ、はぁはぁはぁはぁ……!」
またまた冬森は猛烈ぶっちゅーーーーキスに至った。
しかも今度は馬鹿力を込めていて引き剥がせない、困った、というか上辺は戸惑い程度だが、実のところ天音はガチでてんぱっていた。
「わ、わ、わ、すごい、ベロがすっごい動いてる、さく!」
「……うわぁ」
「ふ、冬森ぃ……ゴラァッ、このくそ童貞ッ! そこ代わりやがれッッ!」
「こんな時間に何の騒ぎかな」
「うわっ……冬森と天音、公開ちゅーしてるのか?」
「いつの間にそんなプレイを覚えたんです」
2D担任の村雨と、天音と同じく美化委員の春海と秋村まで教室にやってきた。
「天音ぇ、おれ、らめ、もぉ、らめぇ」
「冬森」
「体んなか、熱々で……はぁはぁ……ほら、もう……こんな」
「だ、駄目だ、ここで見せたら、教室だし皆に見られて……」
「冬森に媚薬チョコを食べさせたんですか、夏川」
「お前、それって犯罪じゃねーのかよ」
「うぎー! 冬森とあまあまHしたかったんだもん!」
「……せめて皆がいる教室じゃなく他の場所に、」
「むりっっ、もぉむりらってばぁ……限界ぃぃ……はぁはぁはぁはぁっっ」
「そんなに恥ずかしいのなら僕が代わろうか、天音君」
はぁはぁ冬森を皆に見られないよう懐に隠していた天音は、肩越しに、のほほん立っている村雨先生を見やった。
「それとも冬森君を楽にさせてあげられる自信がないのかな」
……下級生を除いた、ここにいる皆は。
……冬森と体を重ねたことがある。
「おい……ンな話あるかよ」
「さすがに可哀想です、ほら冬森、どこか人目につかないオススメの場所に運んであげますから」
立つのも精一杯で天音にしがみつく冬森へ手を差し伸べようとした春海と秋村だが。
媚薬ではぁはぁが止まらない冬森の絶妙な雄色気に……差し伸べかけた手が空中でぴたっと止まった。
「……天音、何とかしてやれ」
「……目の毒です」
以前、えろあほ冬森の性的魅力に揃って落ちてしまった過去がある二人は、今のドドドド発情中えろあほ相手だとまた誘惑されかねないと、接触を断念した。
「天音ぇぇ……」
とても熱い冬森。
媚薬なんて如何わしいモノのせいで、無理矢理性的興奮を植えつけられて、歩くことすらままならずに。
「も……だめ、だ、おれぇ……どうしよ、しぬ……このままじゃ……しぬ」
「冬森」
「シたい……めちゃくちゃ……天音、シたい、天音ほしい、天音、天音、天音ぇ……」
「冬森」
偽りの興奮に喘がされている冬森に欲情しないかと言えば、大嘘つきに、なる。
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