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23-2-天音からみるくが
「冬森、話したいことがあるんだ」
欠伸を連発しながらマフラーに顔を埋めて登校してみれば、わざわざ寒い廊下で神妙な面持ちで待ち構えていた天音にそう言われて。
「は? どした?」
冬森が尋ねれば天音は一重の純和風まなこを伏し目がちにして重たげに唇を開いた。
「放課後、話す」
なんじゃそりゃあ。
おかげでその日、冬森はいつも以上に授業に身が入らなかった。
休み時間に「なぁ、話したいことって?」と尋ねても「放課後に話す」の一点張りで天音は口を割ろうとしなかった。
益々気になって冬森の集中力は失われるばかり。
なんだ、どしたんだ、天音の奴。
これがもしも女相手だったら「生理が来ないんだけど……」決定だな、まー俺は最低限のエチケット守ってましたけど、つけるモンちゃんとつけてましたけど。
つーか天音、男だし。
つーか天音の方が圧倒的に俺に……だし?
そんなこんなで放課後になった。
「冬森、真剣に聞いてほしい」
天音の自宅アパート、綺麗に片づけられた……いや、今日は珍しく服があちこちに散らばっていたりと、どこか雑然とした雰囲気のワンルーム。
正座した天音を前にして冬森は今更ながら緊張してきた。
まさか、天音、別れてほしいとか。
嘘だろ。
考えたこともなかった、もしもそうだったら……俺の人生、終わる。
「あのな」
天音ナシのこれからなんて考えらんねぇよ。
「冬森」
でも、天音が、天音がそう選択するなら、俺、嫌だけど、人生終わるけど、お前が無理なコト続けるわけにもいかねぇし、俺、俺…………
「俺の胸から母乳が出た」
…………ぼにゅう?
「は?」
「け、今朝、違和感があって見てみたら……出ていたんだ」
なーーーーーーんだ。
あーーーーーー、焦ったぁ、ひっさびさキンチョーしたぁーーーーーー、考え過ぎて酸欠で死ぬかと思ったーーーーーー。
「……冬森、笑うな、ひどいぞ」
「あ、悪ぃ、で、なに、ぼにゅう? おっぱい出たの?」
「……信じていないだろう」
「いや、お前がそんな嘘つくワケねぇし? 出たって言うんなら出たんだろ?」
天音に別れを切り出されることが今の冬森にとって最大の問題であり、眼鏡男子から母乳が出た、そんなこと、えろあほ褐色男子にとっちゃあ大した問題でもなく。
「見せろよ」
「ッ……ちょっと待ってくれ、その、学校で漏れたら大変だと思ってだな」
「あ?」
自分の制服をひん剥こうとしている冬森の両手を咄嗟に掴み、真っ黒髪をさらりと滴らせ、天音は。
自分からもぞもぞと黒セーターを脱いで。
シャツのボタンをぷち、ぷち、やたら長い指で外していった。
「漏れないよう……念のために貼っておいた」
天音の胸の両突端にはカットバンが貼りつけられていた。
真正面に迫る冬森から僅かに顔を逸らした眼鏡男子は「本当……こんなこと、自分でも信じられない」と恥ずかしそうにしている。
ちくばん天音にえろあほ冬森は。
一気に滾った。
「天音、まだ? いつ出んの? いつおっぱい出んだよ?」
「ッ……そんな強くされたら、痛い、冬森」
「あ、悪ぃ」
「ッ……そんな優しくされたら嫌だ」
カットバンつきぺちゃぱいを背後からモミモミしていた冬森は苦笑した。
「外すか、カットバン」
「……」
「外していーな?」
長身ながらも痩躯の天音、冬森の腕の中で渋々頷いた。
了解を得た冬森はぺったり張られたカットバン二枚にそれぞれ手を伸ばした。
「ッ……両方、同時にか?」
「え? なに、怖ぇの?」
冬森に聞き返された天音は口を噤んでふいっと横を向いた。
なんだこいつ。
可愛過ぎ。
ブレザーを脱ぎ捨てていた冬森はこっそりえろあほな笑みを浮かべ、そのまま一気に。
ぺりぺりぺりぺりぃッ!
「ん……っ」
「ッ……うわ、ちょ、めちゃくちゃ出てッ」
カットバンが剥がされたかと思えば天音の乳首から母乳が大洪水の如く……は、さすがに大袈裟なものの、濃厚みるくがとろとろ溢れ出てきた。
真っ赤になった天音。
顔を輝かせたえろあほ冬森。
「なンだよ、コレ、マジか、天音?」
とろとろみるく塗れな乳首をキュッと捻るように摘まんでみれば。
さらに勢いづいた。
「ムリムリムリムリ、もうムリ」
「ッ……冬森っ? あ、待っ、冬森、待て……!!」
天音の制止も聞かずに眼鏡男子の正面へ回り込んだ冬森はその胸元へかぶりついた。
ちゅぅぅぅぅーーーーーーーー!!
「ッッッ……す、吸うな、飲むな冬森ッ、無害かどうかわからないッ」
「ん……っん……っ……ぷはっ、はぁ? お前のおっぱいから出るみるくが有害なわけねーだろ?」
「お、男の胸から母乳が出るなんて……前代未聞であって……あっ、だからっ、冬森っ!」
「んーーーーーっっ」
嫌がる赤面天音のみるくを吸って吸って飲んで飲んで、ごくごくごくごくな冬森、えろあほ度が急上昇していた。
みるく乳首に延々と舌を絡ませ、上目遣いに見てみれば純和風まなこを涙で潤ませてビクビク震えている天音、もう堪らない、枯れ果てるまで吸ってやりたくなる。
「ん、ン、ん……天音のみるく、癖になりそ、もっとおかわりちょーだい?」
「も……ッ冬森っ!!」
怒られてもへこたれない、天音への激熱な愛情を再認識した褐色男子なのだった。
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