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「お前のきれーな手、思い出しながら、そりゃもーヌいたヌいた」
今度は呆れてものも言えないでいる天音の鼻先を、やっぱりえろあほな褐色彼氏は、ぺろっ。
「二年だぞ? 二年もシてねぇ」
「正確に言うなら来月で二年だ」
「断食よりつらかったわ」
「断食したことあるのか」
「ねぇ」
冬森は自分に覆いかぶさっていた天音の胸倉をケンカするみたいに乱暴に掴むなり、ぐるん、逆に押し倒した。
高校時代と大差ない痩せ型の体に遠慮なく跨る。
煩わしかった自分のネクタイを剥ぎ取って。
「選ばせてやるよ。俺にブチ込まれんのとブチ込むの、どっちがい?」
正直、天音と触れ合っているだけで前も後ろも疼いて疼いて仕方なかった。
髪長ぇ天音、高校ンときよりもっとオトナっぽくなった。
つぅか。
なんかえろい。
こいつがお守り宣言した通り、御利益ありそーなくらい、きれいだ。
「っ、おっと」
天音が上体を起こし、乗っかっていた冬森はグラついた。
咄嗟に薄い肩を掴んでバランスをとり、顔と顔が急接近して目と目が合った瞬間、囁かれた。
「冬森にブチ込みたい」
普段は柔和な唇が紡いだ物騒な悩殺ボイスに冬森は心身共に痺れた。
「……天音ぇ……」
発情期ど真ん中さながらに、好き好きアピールでもするかのように、悩ましげな腰遣いで天音に股間を擦りつける。
居ても立ってもいられず、一つかけられていたスーツのボタンをもどかしげに外そうとすれば。
「俺が外す」
いつになく積極的な天音が代わりに外してくれた。
「皺になるからハンガーに、」
「その辺捨てとけ」
積極的なようでいてガツガツがっついてこない天音は、冬森に命じられ、やむなくベッド下に丁重にスーツを下ろした。
次はダークスーツと同系色のシャツのボタンに指先を添える。
上から一つずつ、無駄に真剣な眼差しを純和風まなこに湛え、外していく。
どーしよ。
天音に服脱がされてるだけでイきそーなんですけど。
「……冬森、そんなに押しつけられたら」
「……お前がえろいから我慢できねぇ」
「……もうこんなに」
「……っ……っ……っ」
シャツのボタンが半分くらい外された段階で明らかに育っている股座を撫で上げられ、冬森は、天音の肩に爪を立てた。
「いッ……いっちゃう……」
甘えたボイスで弱音を吐いた冬森に、天音は、心臓を過剰に波打たせた。
「……心臓が止まりそうだ」
「っ……え、え、え……? だいじょーぶかよ……? きゅ、救急車呼ぶ、っ、っんむ……っ……!」
堪らなさそうに腰を揺らめかせながらも本気で心配してきた冬森にキスした。
ボタンを外すのは途中で切り上げ、愚直すぎる股間へ熱烈な愛撫を服越しに捧げつつ、唇の微熱を分かち合った。
どえらく美味に思える久し振りの口づけ。
あっという間に育ちきったペニスをじっくり甘やかす掌。
薄目がちに褐色彼氏を見守る純和風まなこ。
離れてからというもの、以前にもまして願ってやまなかった天音を手に入れ、冬森の絶頂は恐ろしいくらいの駆け足でやってきた。
「んっっっっ……!!!!」
天音のスーツにより深く埋まった褐色の五指。
腰をブルつかせ、飲み込めなかった唾液を下顎へツゥ……と滴らせ、きつく閉ざされた瞼を頻りに微痙攣させた。
「ん、ん、ん……っ……ん……!」
「……射精したのか?」
「んっ……した……すっげぇ射精した……ノーパンで帰んねぇと……」
「あのな……後で洗濯する」
「んなヒマねぇぞ、天音ぇ……」
すんなり着衣射精に導かれた冬森は怒ったように笑う。
絶頂の余韻を引き摺ってまだ僅かに揺れている腰がこれまたヤラシイ。
「スーツ汚すかもしんねぇから、お前もとっとと脱げよ……」
催促された天音は一端ベッドから出、焦らない手つきで我が身からスーツ一式を取り除いていった。
ベッドにだらしなく横になった冬森は慎ましいストリップを堂々とガン見していた。
やべぇ。
スーツ脱いでる天音見てるだけで余裕で復活するわ。
あんま変わってねぇな。
ゴツゴツしてそーな、無駄な肉なんか一切ねぇ体。
早く、天音。
俺んとこ早く戻ってこいよ。
「冬森」
ベッドへ帰ってきた天音の肩に両腕を回し、冬森は、全身でもって眼鏡彼氏を出迎えた。
「おかえり、天音、会いたかった」
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