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8-6 前戯からの★

***  アレンはカミュを抱きかかえて寝室に連れていき、そのままベッドに横になった。カミュが毎日ベッドメイキングを施し、皴一つなく伸ばしているシーツも一瞬で台無しになるが、構うことなく二人はじっと見つめ合う。  カミュは切なそうに相方の顔を細い指でなぞり唇を求め、幾度ともなく柔らかな接吻を落とした。  アレンはカミュの体を薄い衣服の上から触れる。触れたところから、体が疼き始めるのを感じ、カミュはかすかに声を漏らした。感じやすい体を優しく愛撫してやると、下腹部に潜む可愛らしい突起が鎌首をもたげ膨らんでてくるのが、下着越しに見えた。アレンは思わず、小さな丘に触れようとしたが、カミュは小さな動きで手を払った。 「駄目だよ。ブローが先だよ」 「……少しいじらせてくれ」 「もう……」  カミュは熱っぽい吐息をアレンにかける。風呂上がりの湿った髪から、ミントの清い匂いがした。 「ミントか」  頭の靄を晴らすようなすっきりとした匂いは、夜の睦事にはあまりふさわしくない。だが、カミュのようなまだ幼くて純粋無垢な少年を抱くに、ミントはあっているような気がした。  アレンはまるでコートかオーバーのように、その巨体でカミュの小さな体を背後から覆い、片手は骨盤のあたりを優しくなで、もう片方は小さな丘にあてがって、肉筒を緩く揉みしだいた。 「ん……んん……」  カミュは首を左右に振り悶えている。アレンを探そうとでもするかのように振り向かんとしていたので、アレンは笑いながらカミュに口づけをした。軽い口づけが次第に深まり、くちゅくちゅと淫猥な音を立てながら唾液が交じり合う。アレンが舌を強引にカミュの口内に差し込んで、粘膜をこすり合わせると、カミュはしばし痙攣した。そうやって少年の色香を味わいつくすのだ。 「ああ……い……いや……」  腰から胸に移動した手が乳首をまさぐると、カミュは再び身もだえし軽い拒絶をする。ここはまだ開発されておらず、初々しい反応を見せるのでアレンはやにわに興奮した。ミントとは別の、スミレのような甘い香りのするうなじに唇を這わせながら、細い腹部をすっとなぞると、贅肉も陰毛もないので抵抗なくストンと落ちる。その滑らかさも絹のようでたまらない。いつまでもさすっていたいが、擦り切れてしまうんじゃないかと心配になるほど繊細だった。 「い……意地悪しないで……アレン、そろそろしゃぶらせて?」 「そんなに咥えたいのか?」アレンはにやりと笑いながらからかう。 「ば……ばか……」  カミュはアレンに向き直ると、厚い胸板を拳で叩いた。早く濡らさないと、挿入が遅くなってしまうと、カミュは焦れていたのだ。  待ちきれないとばかりに、少年はアレンの下着のふくらみに手を添えた。ぱつんぱつんのボクサーパンツのきゅっとしまった腰ゴムを引っ張り下げると、弾けんばかりの勢いでそそり立つ雄。寝室を支配するような圧倒的な威圧感を持つ野性味あふれる逸物だった。眼前に現れたそれに、カミュの口内は条件反射的に唾液が分泌される。恥じらいなどかなぐり捨てて……  カプッ。  可愛らしい音とともに、カミュがアレンの亀頭を攻め始める。最初はキスをしているかのようについたり離れたりし、舌の先でペロペロとこそばゆいような刺激を与える。二人が愛し合うようになって間もないころは、カミュもこの巨大な逸物をおっかながってこんな風にしか咥えられなかったのをアレンは思い出す。あどけない小さな口でよく奉仕しようと思ったものだ。  ちゅぷちゅぷと、カミュは唾液量を増しながらアレンの亀頭を丁寧に舐めていく。ふと、カミュは口を離すと、たらりと唾を垂らして手で陰茎に拡げ始めた。横目で枕に深々と凭れるアレンの様子を眺めながら、しなやかな手つきで無駄なく伸ばしていくとアレンは喉を鳴らして目を細めた。それを見て、片方の手が睾丸へと移る。男根同様に大きいそれは手の中にずっしりと重みを感じるが、カミュにはごろんとして可愛いくも見える。硬くなった皴を少しずつ広げながら、カミュは口を付け根まで這わせていき、辿り着いた玉袋を子犬のようにぺろぺろとなめてぱくりとかぶりついた。 「……お前を見ていると、それが……美味そうに見えるな……」アレンは生唾を飲みこみながら、カミュの髪にそっと触れた。 「ん?おい……ひいよ?」舌で玉袋を弄りながら上目遣いでアレンを見る。男の顔には、すでに劣情が浮かんでいた。頃合いかなと、じゅるじゅるとよだれの音を響かせながら啜ると、男は突然の快感に襲われたのか身を震わせ体を反らせた。  アレンの目が苦しげで真剣な眼差しに変わるのをカミュは確認する。理性で制御できなくなったとき、アレンはカミュに上に乗るよう命令する。 「くっ」と声を漏らし、歯を食いしばりながら、自分のフェラでイきそうになっているアレンを見るのがカミュは好きだ。彼はアレンが睾丸の方が感じやすいことを知っている。襞の一枚一枚に通った感度のいい神経が、アレンの攻撃的な本能を刺激するのだ。 「アレン……いきそう……だね?」あと少しあと少し。 「う……ああ……うう!!」低い声で唸り声をあげるアレンはまるで獣のようだった。  そろそろと感じたカミュは、睾丸から口を離し、亀頭から逸物を一気にしゃぶった。高速のピストンとその内側で蠢く柔らかい舌の的確な攻めたてで、アレンはこらえきれなくなって体をびくつかせた。その時、口の中に粘液が発射された。それは微量だったが、カミュは嬉しかった。白濁しているだろうアレンの精液は、まだカミュの舌の上でねっとりと踊っている。 「はぁ……はぁ……」アレンは両手でシーツを鷲摑みし、浅い息をしながら次の言葉を言った。 「カミュ、早く乗れ!」

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