39 / 108

*-15 初媾合★

***  異様な匂いの交じり合った湿った室内。片隅でゆらゆらと揺れるろうそくの炎。その薄明かりに照らされる少年の顔は彫刻のように整っている。(まないた)のように平板な白い胸板に浮かび上がる二つの愛らしい乳首が、炎の揺らぎに合わせて陰影を生じていた。  カミュは愛液とマヨネーズに濡れた、艶めかしい菊の紋を俺の上に誘い重ねた。刻一刻と媾合の時が迫り、俺は固唾をのんで見守っている。全てをカミュの身に任せ、俺は両手をシーツに遊ばせていた。 「ふぅ……」少年はゆっくりと深呼吸して、目をつむる。 「ん……んっん……」  膝の力を抜くと、体の重みによって彼の後孔に俺の先端がぬぷっと挿入した。それは前回と比較にならないほど自然だった。彼の小さなペニスがすくっと起き上がる。カミュは目を開けて、繋がりを確認するために手で接合部を触る。そして俺の方を見やって、一気に顔を赤らめた。 「ア……アレンさん……そんなまじまじ見ないで!恥ずかしい」 「見たって別に悪くないだろ。減るもんじゃないし。それにまだ先っぽだけだ。こないだと同じだぜ?」 「お……同じじゃないよ。マ……マヨネーズのおかげで、こんなにあっさり入った。……大きいけどね」  カミュはすでに感じているのか、体をびくつかせている。その度にペニスも小刻みに揺れた。 「早く全部咥えてくれよ」  カミュの淫口は上の口よりも温かかった。熱い肉に精を放ちたくて、むらむらしてくると、俄然陰茎が太く硬くなった。血流量とともに赤黒さも増す。 「うん。……う……ああ……ひ…くっ……うああ」  カミュは再び目を閉じてずぶずぶと腰を落としていく。今度は力がいるのか、歯を食いしばっていた。亀頭のエラの返しで、やや窄まり一休みしていた彼の後孔が、再び開かれていく。ペニスが埋まっていくにつれて、菊模様の襞が広げられなくなってしまった。 「う……ああ……ああん…いい……ぅ」  カミュは背を反らしたり、前後左右に体を揺らしながら、痛みを分散しているのか、ゆっくりと降りてきた。苦しそうに顔を上に向けているので、表情を直に見ることはできないが、その細い手は必死に俺の淫毛に縋ってくる。引き締まった内壁をぎちぎちに満たしてゆく俺の陰茎に、彼が分泌した淫らな液が浸潤して、付け根にまで伝わる。 「あと少しだ」 「ああ……う、うん…アレンさん……はぁあああ!!」 カミュの細い体に俺のペニスがすっかり納まると、少年は歓喜に満ちた声で叫んだ。 「んん!アレン……さん……。入った。奥まで入ったよ……ああ」 「……ああ」俺はカミュが両手を上げて満面の笑みで喜んでいるのを茫然と見ていた。 「アレンさん。嬉しい、嬉しいよ。これで僕はあなたのものだね!!……アレンさんに支配されちゃってるもの」 「支配?」その言い方が可愛くて、俺はふと笑って、カミュの頬に手を伸ばした。嬉しさからか、カミュは涙していた。 「カミュ……すごくしまりがいい。痛くないか?」  カミュとの初めての完全な結合は、逸物に強烈な圧がかかっており、一気にいきそうになるのを俺は必死でこらえた。 「わかんない。ギチギチで。感覚が飛んじゃって。あん。僕の体が僕のものでないみたい……」  カミュは両手で頭を押さえ、前後に揺れている。痛いのか気持ちいいのかの判別もつかない状態のようだ。とりあえず、出血はしていないようだが。俺はカミュの両手を握った。 「……とりあえず、このまま動いてくれないか?」 「え?」カミュは固まった。 「?」んん?? 「僕、この先知らない」 「は?」俺の頭に大きな疑問符が浮かぶ。 「……え、いや。知らないとかじゃなくて……、体を動かせないか?」 「む……無理だよ。もう限界……動けない」少年は俺の腹に手を当てて、ひぃひぃと息をつく。二進も三進も動けない。 「動けないなんて……。まさか、これでしまいじゃないだろ?」  俺は冗談じゃないという顔をしていたことだろう。 「どう動くの?」  きょとんとしていたカミュだったが、俺を怒られたくないようで恐る恐る訊いた。状況が状況なだけに俺も切羽詰まっていたけれど、俺はカミュを焦らせないよう努めて丁寧に振舞った。 「付け根を軸に上体を前後に揺らしてごらん?」俺はカミュの細い腰を掴んで、ゆっくりと前傾の姿勢に倒したり、後ろにしならせたりした。 「う……ふ……ああ、ダメ……。ううん。アレンさん、はち切れそうだよ……いやん……少し痛い」 「痛いか?」 「たぶん……あ……ああ……」  前後に2往復しただけで、カミュはよだれを垂らし俺の胸にしなだれかかった。顔と顔が近づいたので、俺はカミュの顎に手を差し入れてくいっとあげてやるとキスをした。 「は……あ……」  最初は軽く何度も唇にタッチし、カミュも下半身は置き去りにしてキスを楽しんでいた。俺の胸毛に指を絡ませて、髭や鼻にも優しいキスをされる。カミュが目をつぶったのを狙って、瞼に息を吹きかけてまつ毛を啄むようにキスをしてやると、くすぐったそうに笑った。  下肢がガッチリと結ばれた状態で、軽いキスは次第に重く激しいものに変わってゆく。互いの舌を螺旋のように絡ませ、唇や鼻に噛みつきそうなほど激しいキスに当初カミュは怯えたが、俺は彼がこの行為に慣れるまで口内の愛撫を入念に行った。  二人の体はどんどん熱くなり、吐息が荒くなり、大汗をかき、ねっとりとした唾液が分泌される。口腔にたまったカミュの唾液はなぜか甘く、花の蜜のように感じた。  カミュはつと舌を抜いて、優しいキスを俺の唇に何度か浴びせた。一瞬息を止めて言う。 「アレンさん、また…大きくなった……」 「……お前の中、すごく気持ちがいいからな」  俺はキスを休むと目を細めていった。 「えっち……」カミュは片腕で顔を覆いつつ、滴る汗をぬぐった。

ともだちにシェアしよう!