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*-16 無理強い★

「……カミュ。動くぞ……」  紅顔でキスを楽しんでいるカミュの柔らかい髪を梳きながら、俺はカミュの腰に片手を添えた。 「え……ああ……ダメ……。無理だよ。アレンさん……」  カミュがいやいやと首を振ると、金の頭髪が俺の鼻をかすめた。スミレの花の芳しい匂いに酔いしれる。 「最後までやると約束したのは誰だ?」 「僕はこんなことするなんて思わなかった」俺の胸に熱い吐息をつきながら、カミュはあどけなく呟いた。  カミュはセックスについて本で調べるなんて息巻いていたくせに途中までしか知らないらしい。それも挿入でエンドだなんて……さすがにそれはないと思うが。どこで間違った情報を仕入れたのだろう?疑問に思うが、今はそれどころではない。俺は律動を開始した。 「あ……アレンさん……ダメ!ダメ!ああぁ……」  手始めにカミュの腰を両手で抑えてゆっくりと腰を昇降すると、カミュは瞬時に顔をゆがめ、俺のブツから逃れようと腰に添えられた手を払った。が、俺は何事もなかったかのように払われた手で再びカミュの腰を固定し腰を振る。その時の愕然とした表情や苦痛をにじませた顔も魅力的で、俺は恍惚と見入る。今思えば残酷で加虐的な行為だろうが、純真無垢で初心な仕草や天使のような美しい姿に、見惚れてしまっていたのだ。  前傾姿勢のカミュは、腰からの脱出が無理とわかると、俺の胸に手を突き、胸毛にしがみついた。目をつむり、ふぅっふぅっ短い息をついている。それが苦しみに耐える最善の態勢なのだろうか?時折、少年の小さな乳首が俺の胸板に擦れる。 「……カミュ、約束のとおり俺のものにしてやる」  俺は上下運動を速め、カミュの後孔に何度もペニスをねじりこんだ。ずぎゅっずぎゅっずぎゅっという内壁を擦る音とともに、カミュが呻き声をあげる。双眸からは苦痛の涙を流していた。 「う……う……う……ああ…ダメ!痛い!痛いよ……」  俺は次から次へと込み上がってくる快感で何度もイきかけ、カミュの声が遠くなっていた。痛がっているのはわかっているが、こいつを俺のものにしたいという鬼畜な欲求が勝り、性衝動を抑えられなくなっていた。悲鳴を上げるたびに、生理的に俺の腰に力が入り更なる躍動でカミュを苦しめた。 「やめて!!ダメ!お願い。アレンさん……今すぐに……痛い痛い痛い!!ああああ!!」  悲鳴は絶叫に変わるが、腹上で苦しみに悶えているカミュが愛おしくてたまらない。理性が霧消し本能のままに動く状態になっていた俺は、この勢いに拍車をかけた。カミュが両手で俺の体を叩き始めたので、両手をしっかりと掴んで抵抗できないようにしたうえで、続行する。それでもカミュは頭を振って抵抗していたが、俺の激しい突き上げに喘ぎ声とともに体を震わせ始めて、数分経った頃には気を失っていた。  そのまま腰を振っていたが、反応がなかったため一旦動きを止める。ペニスを体内から抜くと、穴の縁にたまった白い粘液がドロリとシーツに落ちて染みた。抜いた拍子にカミュの体がずれ落ち、体内から発せられた淫靡な匂いが室内に満たされる。  続いて少年を仰向けに寝かせると、俺は彼の羊毛布団のように覆いかぶさった。開き切った肛門に再び逸物を挿入するが、うんともすんともない。呼吸をしているのを確認すると、俺は彼の汗で湿った胸部に実をつけた二つの果実を弄りだす。薄桃色をした半球のそれはピンと立っており、いつ収穫してもおかしくないくらいに出来上がっていた。俺は箸休めにそれに口に含み舌の先端で擦ると、ラズベリーの甘酸っぱい味がした。もう一方の実は指で優しく転がしている。 「ん……あ……」  カミュがようやく意識を取り戻したようだ。俺はラズベリーから口を離した。 「アレンさん……あ……」  体位が変わり、カミュは俺を見上げた。そして、自分の中に未だ俺が占めていることを感じて驚く。 「ようやく起きたか。続きだ」  俺は有無を言わさず、正常位でゆっくりとストロークを始める。 「あ……嫌だ。痛いよ……ダメ……。ねぇ……もう終わったんじゃないの?」  下になったカミュは、髭の生えた俺の顔を手で挟んで懇願するように言った。 「あれで終わり?よく言えたものだ。まだこれからだ」俺はまだ射精できてない。  具体的な記憶はないが体の経験則から言えば、少なくともあと2,3回は体位を変えてやる必要があった。俺はやや遅漏なのだ。タイミングをコントロールすることはできるが、開始の体位で即射精するほど甘くはない。  だが、カミュが痛がっているなら、ピストン速度を増して、自分がいきやすい状態にして早く終わらせてもいいと考えた。相手の負担は大きくなるが、早く射精できる。  俺が体重をかけてずこずこと前後運動を繰り返していると、カミュは両手を暴れさせ胸板を突き放そうとする。体を頭上方向にずらして逃げようとしたり、腕を胸の前でクロスさせガードの態勢をとったりするが、そんな抵抗も体格差で無意味と化してしまう。俺はあれが組んだ腕を解き、ベッドに押し付けてセックスを強行した。結局、カミュは必死に抵抗しているはずが、命のない人形か何かのように無機的にベッド上で浮き沈みしている。脱出不可能と悟ると再び泣き出し、窓に向かって叫んだ。 「お願い。お願い。離して……あ……ああ。痛いよ……誰か!誰か、助けて!誰か来て!」 「ここには俺たち以外誰もいない」  カミュが言いくるめの術を使って借り上げた山の中では、俺の知る限り今まで自分たち以外の人間を見たことはなかった。隣の家までだって馬車で1時間はかかるし、今は夜だ。周囲に人がいるはずもなく、当然声は届かない。

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