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*-17 性玩具★

 正常位に飽きると、俺はカミュを横にし脚を開かせて抱え、俗にいう松葉崩しの態勢で、深い侵入を試みた。体が回転したこと、さらに奥まで突けるようになったことで、当たりどころが変わり、カミュは今までとは違う声を上げる。 「あ……いや……いやん!……ああ……う……はぁひやん」  小脇に抱えている細い脚の痙攣が止まらない。腕から逃れたいのかも分からないくらい、激しくもんどりうっている。彼の小さなペニスも脚に合わせて小刻みに震えていた。 「……気持ちいいか?」  俺は構わずにがんがん彼の恥部に己の欲望をぶつけていく。赤ら顔をしたカミュは、涙を流しながら潤んだ眼を俺に向けた。 「い…いわけ…ない!痛いよ!……アレン……さん。し、出血……出血しちゃう……」  息も絶え絶えに、カミュは俺の腹をひっかいた。痛みを少し感じた。血は出ていないと思うが、みみずばれにはなるだろう。ひっかいた腕を強く握ると、少年は体をぶるんと震わした。 「出血?冗談じゃない。途中で辞めたら、三度目はないぞ。俺も余裕がない。無理だ……」  騎乗位が終わったときは、出血していなかったのは確認済みだった。といって、この先、カミュのまだ幼い後孔から流血するかもしれず、いやすでに出血しているかもしれないのだが……、そのために俺がセックスをやめるかは正直わからなかった。 「はぁはぁはぁ……いたい……いたい……」  カミュは顔をシーツに伏せて、唇をかみしめながら我慢しているようだった。ひねられた細い首から鎖骨にかけて、山の稜線のように美しいラインが俺の目に映る。艶めかしい首筋を前にするまでもなく、俺の自制心はとうにタガが外れており、彼の懇願は聞きいられなかった。少年の意識がまた飛んだ。 ***  何度か失神したカミュを揺り起こしては、続きをせがんだ俺だったが、今はカミュをうつ伏せにし、足を閉じさせた状態で後ろから犯していた。この体位は挿入こそ浅いが、肉体の密着面が多いため、柔肌を愛撫し体温を感じながら愛せるという利点がある。俺は彼の両手の指に自分の手を這わせて組み合わさった。 「……ゆるして。アレン……さん。僕……もう無…理だ。約束なんか……」  カミュはシーツをぎりぎりと握り、枕を噛んで耐えていたが、ほとほと限界だったのだろう。ぐずぐずと鼻をすすり、涙声で訴えた。 「……約束」言いながら熱い吐息をカミュの背中に吹きかけると、全身がびくついた。 「や、約束なん……か反故にする。だから……お願い……僕を離して……」  あいつの耳元に俺がいて、カミュは枕に向き合ったまま、俺に哀願する。が、 「無理な相談だな。約束を反故にしたところで最後までやらせてもらう」  俺は断固として意志を貫き、無慈悲なまでに両刃のペニスを彼に貫き続ける。 「こ……こんなの強姦だ!離して!離してってば!死んじゃうよ……僕を、僕を殺すの?」  振り回そうとする四肢はすべて、俺の手足に押さえつけられていて、彼は後孔の支配に抵抗する術も脱出する術もなく、あるのは彼の口から発せられる言葉だけだった。 「子どものくせに約束なんて軽々しく口にするからいけないんだろ。言ったことには責任を持とうな」  両脚が俺の脚に固定され閉ざされているせいで、孔は非常にきつくなっており、ペニスを握りつぶされそうなほどの締め付けだった。俺は一瞬いきかけたが、ぐっとこらえる。 「あん……あん……。こ……子どもじゃない!!」カミュは俄然怒り出す。 「大人だろうが子どもだろうが俺は抱く。……飽きるまでな。なるべく早くイってやりたいと思ったが、久しぶり過ぎたみたいで無理だ。観念するんだな。……殺しやしないから」 「いっ……そ殺さ…れた方が、はっ……まだ…ましだ」カミュは俺に激しく犯されながら噛みつくように言った。 ***  初めてにしてはカミュは意識を持ちこたえたが、意識があったせいで苦しみを長く味わったことだろう。何度か体位を変えた後、カミュの腰を高くして後背位で攻めたてていると、叫びすぎて声が出なくなったのか蚊の鳴くような声で「ゆるして」としか連呼しなくなった。  肘が折れ上半身が崩れ落ちたときにはすでに失神していた。それから先は、いくら声をかけても目を覚ますことはなかった。  息をしていたから俺は慌てず、カミュをそのまま愛し続けた。穴から流れ落ちる体液を掻き出しては満たし、かき混ぜて泡立てると言った行為を明け方まで繰り返し、彼の体中に接吻することも忘れなかった。  なぜこんなに残虐無比なことをしでかしてしまったのかわからない。 ***  明け方まで愛した後、俺は眠りにつき、昼頃に目が覚めた。雨はやみ外は明るくなっており、カーテン越しの光が部屋を明るく照らし出している。火鉢の炭は燃え切り、室内はひどく寒い。俺は目をこすりながらカミュの方を見やった。  少年は青白い顔をして眠っていた。寝乱れて金髪が顔に張り付いていたので、剥がしてやる。ちゃんと寝かせてやろうと掛け布団を取り払うと、ぎょっとした。  掛け布団もシーツも朱に染まっていたのだ。カミュが流した血だろう。少年の陰部より俺の吐精した粘液が漏れ出ていたので、指を使って掻き出してやり白布で拭き取った。それも血液が混じり赤く滲んでいた。  シーツは新しいものに交換し、全裸のカミュには体を拭いた後、綺麗な寝間着を着せてやって寝かせてやる。その間、彼はなされるがままで、まるで着せ替え人形のようだった。関節は思うように動かず、体の重心も動かないので、死体を運んでいるかのようだった。生きているか不安になった俺は度々鼻の近くに手をかざした。  息はある。脈もある。微弱ではあるが。

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