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第24話
仁の頬を両手で包み込む。
「愛してる。愛してるよ」
仁が目蓋を閉じた。腰の動きも止まって……ああ、ああ、閉じた目蓋から、どんどん溢れ、流れ落ちてくる涙。
顔に降ってくるそれは、僅かな熱を帯びていた。
「愛してる」
ゆっくりと目蓋が開いてゆく。
「愛してる。仁、愛してる」
俺も、涙してしまった。喉の奥が熱い。
仁の頭が肩に落ちてくる。
首筋に、唇が触れてきた。
「愛してるよ、響。俺の人生はお前だけのものだ」
首筋を舐られると同時に腰を揺さぶられた。
身体中に荒れ狂う熱を感じる。
「俺も、仁に……っ、俺の全てをあげるから……っ、あっ」
カリ首に前立腺を引っ掛けられて、自分のペニスがひくつく。
意識がどんどん、刺激を与えられているところに向いてしまう。けれど、これだけは伝えたい。
仁が顔を上げたので、腕をその首へ回す。
至近距離で目を合わせながら、勝手に飛び出す喘ぎ声を必死で堪え――
「何が、起こったとしてもっ、俺は……仁の隣にっ、ずっと、いる。ずっと一緒にいるっ、あっ!」
涙が止まらない。仁もそうらしい。
沢山降ってくる涙がくすぐったくて。切なくて、胸が苦しくなるけれどそれは、嫌なものではなかった。
繋がった状態で唇を合わせられ、泣いていることもあって鼻が僅かにつまり、息がうまく吸えない。
でも、そんなもの関係ない。激しいキスに応えながら、仁の首に必死ですがり付く。
ゆっくりとわき腹を撫でてきていた手が胸元に移動した。乳首を円で囲むように弄られる。
中で感じる仁の形が愛しい。
どんどん上がる体温は、冷める気配を感じさせない。
ベッドの揺れる音に耳を犯される。仁の荒い息遣いがそこに混ざって更に、興奮する。
ああ、もうやばい。いきたい、イキたい。
絡まる舌が気持ちいい。ぞくぞくする。じらしてきていた指が、ついに乳首の先端をこねってきた。強くそこを摘み上げられて、穴を締め付けてしまって、そうしたら仁の形が更に鮮明にわかって、ぎゅるりと下腹部が鳴った。
後ろ首に鳥肌が立つ。降ってくる仁の汗と涙が俺の頬を濡らしてゆく。唇の境目からそれが口内に滲んできて、興奮の味を知った。
感じる雄の匂いは強烈で、もう、五感全てが持っていかれるような感覚が襲ってくる。
精一杯、目蓋を開き続ける。仁から与えられる視線をそこで受け止める。長い睫毛。綺麗な、形の、細い二重目蓋。俺の愛する左目元の黒子。
仁の手が胸元から退いた。そして、ペニスを握られる。
亀頭をぐりぐりと親指でこねってきたかと思えばそのまま、先走ったものを塗り広げられて――裏筋を何度も擦られた。
勝手に腹部が痙攣する。
どんどん深くなるキス。も、う、頭の中が――
真っ白。
首を振ってキスを回避して……
「仁、っ、イク、いっ、あっ、もう、駄目、駄目、仁、ひと、しも一緒に…・・・っ中に出して、だしれっ!」
「愛してるっ、響、っ、お前だけを、愛してるっ!」
イった瞬間、追いかけてきた唇にキスをされ、酸素の足りなくなった頭が霧を深くして――気がついたら夜になっていた。身体は仰向けに寝かされたままだ。
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