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束縛2
透は彰広を押し退けてリビングに戻った。
どこにも逃げ場などないのだ。
軟禁状態が続いて、透は自分の気持ちをコントロールできずにいた。
彰広を傷付けたいわけじゃないが……今、彰広に抱かれるのは嫌だった。
「透」
呼ばれてビクリと震えた。
振り向けば、彰広が情欲と執着の入り混じった暗い瞳で透を見ている。
「……嫌だ。今はしたくない」
透は一歩下がり、彰広を拒絶した。
彰広の瞳が更に暗くなる。
彰広は大きく踏み出し、透を捕えに来た。
「!!……嫌だ! 嫌だって!」
透は逃げようとしたが、すぐに彰広の大きな手に捕まってしまう。
彰広はもがく透をソファに押し倒した。
無言で揉み合い、互いの息遣いが荒くなっていく。
彰広は透の部屋着に手をかけ、下だけ裸に剥いた。
「やめっ……!」
彰広がシュルリとネクタイを解く。
また縛られる!
「嫌だ!! 彰広ッ!!」
手首を一纏めに括られ、片手で頭上に押さえつけられた。
彰広はペロリと指を舐めて濡らし、いきなり透の後孔に中指を押し入れた。
「ぅあッ!!」
ぐぐ、と指をねじ入れ、性急に責めはじめた。
「い!……ゃあッ!! やだって……あ、彰広!!」
この二週間、毎晩のように彰広に抱かれ、透の穴はすっかりほぐれた雌の穴にされていた。
「嫌だ! いや、いやぁ……あぁ、嫌! あ! あぁあッ!!」
透は首を打ち振り、必死に拒絶するが、慣らされすぎた体は素直に彰広の指を喜ぶ。
「いやだって……言ってるだろ! あっ」
彰広の思いのままに反応する自分の体にも苛立つ。
透の後孔は二本めの指も美味そうに咥えこんでいた。
「あ、あ、ああぁ……うぁ!」
透の体から抵抗する力が失われたのを見て、彰広が押さえつけていた手を離した。
ゆっくりと指を引き抜いた瞬間、隙を狙って透が暴れ出した。
「透!」
彰広を突き飛ばした透はソファからラグの上に落ちた。
今は嫌だった。
とにかく彰広から離れたい一心で、透は這うようにして逃げる。
それが彰広を余計に煽るのだと、気付きもせずに。
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