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余韻1
翌日、透は昼過ぎに目覚めた。
昨夜の情事で全身が気怠かった。
頭もはっきりしない。
眠っている間に体は清められているようだったが、シャワーを浴びたかった。
透はぼんやりとした頭で、素肌にシーツを巻き付けたまま、部屋を出た。
「あ、透さ………!?」
「……?」
リビングにいた真田が、透の方を向いてギョッとした顔をした。
透は自分がシーツに身を包んだだけだったのを思い出し、急いでバスルームに向かった。
………なにやってんだ、俺。
透は羞恥に頬を染めた。
真田の驚いた顔を見て覚醒した頭に、熱いシャワーを浴びた。
みんな知ってるはずだ。
自分と彰広の関係を………
今更、か。
今の自分は彰広の「男妾」だ。
一日中、何もせず、まるで子守りのヤクザに見張られている。
夜は夜で、彰広とセックスをするだけだ。爛れてる。
数週間前までは、こんな日々なんて考えられなかった。
自分が小学校で教師をしていたことが、ひどく遠い日のことのように思えた。
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