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第2話

我が儘な息子に手を妬いている大樹の話しを静かに幸久は聞いていた。 彼とは幼い頃から家が隣同士で良く遊ぶ仲で初恋の相手だった。 好きだと自覚したのは中学生の頃。 だが、彼はノンケで根っからの遊び人だった。 ところが幸久が高校生の頃に彼はデキ婚し旭が生まれた事で今や嫁の尻に敷かれながらも丸くなり遊びもしなくなった彼。 幸久は今でこそ吹っ切れてこうやって談笑出来るようになったが大好きだった彼が結婚した当初はずっと避けていた。 そんな彼を助けたい一心で幸久はこんな提案をした。 「じゃあ、俺の家使うか?」 「え?」 「同居でもいいってんなら部屋は空いてるし 食事も作れるし家賃もいらない。」 IT企業で働く幸久の家は一人で住む分には少し広すぎた。 「でも、迷惑だろ。 お前だって恋人や友人を家に上げる時もあるだろ? あいつがいたら邪魔だと思うけど?」 「別に恋人もいないし、他人を家に上げるのは好きじゃ無いんだ。」 「俺の息子も他人だ。」 「あんたは俺にとって兄の様な存在だ。 その息子なら家族も同然だから俺は構わない。」 好きだった、いや、今でも好きな彼の息子なら家に住まわせてもいいと思い提案した。 最初は渋っていた彼も他に宛もないと多少の家賃を払う事で了承し息子の方も渋々OKし同居が始まった。

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