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第3話
大樹の息子、旭に会ったのは彼が幼稚園の頃以来か…。
久々に見た彼は父親に似て目鼻立ちくっきりのイケメンに育っていて思わず胸がざわついた。
「何?どうかした?」
「いや、何でもない」
じっと見つめすぎたのか不審に思われてしまった。
こうして同居が始まったが旭は彼女と別れたことを未だに引きずっているようで幸久に対しても不機嫌な事がある。
父親とは違い意外と一途な旭は彼女に尽くしていたが、それが彼女にとって重かったようで別れを告げられたのだと。
そんな様子だから身の回りが疎かになり幸久が呆れつつも世話を焼いていた。
「上がったから次いいぜ。」
風呂から出てきた旭は上半身裸で髪も生乾きの状態で幸久はため息を着いた。
「お前な、服はちゃんと着ろって
髪もまだ濡れてるだろ風邪引くぞ!!」
全く仕方ないと幸久は乾かしてやると彼を椅子に座らせドライヤーを持ってくる。
「別にほっとけばいいのに。」
「そうも行くかよ。
一応お前を預かってる身だからな。
何かあればあいつに申し訳が立たない。」
「あっそ。」
茶髪の髪を丁寧に乾かす幸久は染めてる髪なのに柔らかいななんて思う。
そこから目線を下げて後ろから見下ろす彼の首筋、鎖骨につい目が行ってしまった。
綺麗だなと……。
すると不意に旭がこちらへ振り返って慌てて目線を上げた。
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