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第4話

「なんだ?」 自分を見つめる彼に投げ掛ける。 「いや、あんたって顔もいいし家事も完璧だしモテそうなのに独りなのかって。」 「別に家事なんて長年一人でやってれば慣れるもんだし俺は独りの方が楽なんでな。」 「そう言うもんなの? なんか寂しいな。」 寂しい……。確かにそうなのかもな。 誰と付き合っても長続きしなかった。 それはもしかしたらまだ大樹に未練があったからかもしれない。 旭をここに住まわせたのも、もしかしたら大樹とまだ繋がっていたいと言う未練があったのかもと思うと自分が滑稽に見えて笑えてくる。 「けど、俺もあんたみたいに独りが楽って思えればこんな思いしないのか。」 「さぁな……。」 旭の髪も乾き、ドライヤーのスイッチを切りそれを元の場所に戻しに洗面所へやって来た幸久は鏡に映る自分を見て苦笑した。 子供相手にまともなアドバイスさえ出来ない自分が情けないのと、まだ大樹を追いかけていると自覚してしまった事がどれだけ苦しいことか…。 「好きだ、大樹……。」 思わず吐露してしまった言葉は予期しないものへと変わるのだった。

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