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第12話
「な、に……言って……。」
旭の告白に幸久は、彼は何を言っているのだろうかと頭が混乱していた。
好き?俺を?
「旭、お前……」
「アンタが!!
親父を好きっつったから意識してっ……。
そしたらいつの間にかアンタを好きになってたんだよ!!
アンタのせいだ!!責任取れよ!!」
一方的な言い分に幸久は目を丸くして驚く。
「親父なんか見んな……
親父の……代わりでいいから……」
今にも泣き出しそうに声を震わせながら懇願する旭の頬に幸久はそっと手を添える。
「まさかお前に告白されるとは思わなかった。
だからか、大樹にイライラしていたのは……」
旭がやたら父親に対して不機嫌だった理由が明かになり可愛い嫉妬にクスりと笑った。
けれど幸久の笑みはすぐに消えた。
「お前の気持ちは嬉しいよ。
だが、悪いがその気持ちには答えられない。」
勢いで言ってしまった告白はあっさりと打ち砕かれ旭の目からは抑えていた涙が溢れる。
「な…んでだよ……?
そんなに親父の方がいいのかよ!?
俺の何がダメなんだよ……!?」
「落ち着け旭。」
興奮する旭を落ち着かせようと肩に手をやるが振り払われてしまう。
そして一つ、ため息をつくと幸久はこう言葉を繋いだ。
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