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講義中も万里は上の空。教科書すら開いていない。
これまで万里は恋人と別れたからと言ってこんな風になることはなかった。
一応次期当主となるはずだから授業態度はいたって真面目でそれは高校時代から変わらなかったのに。
講義が終わり万里は素早く千里に近寄ろうとするが千里は他の奴に連れられて万里は女に揉みくちゃにされて二人の距離は離れていく。
「せんちゃん!」
いつもは万里が呼べば直ぐに振り返って笑顔を向けていたのに万里の声は周りの声にかき消されて届かない
そうこうしているうちに教室から出た千里の姿が遠ざかる。
一緒にいたやつはたしか千里と同じバイトのやつ。
あいつが良いやつなのは俺たちも知ってる。変な気をおこさないことも
「せんちゃん!…くそ…今すぐその汚い手離してくれる」
万里の腕をしっかりとつかんでいた学内でも有名な美人は初めて聞く万里の言葉に震えだす
そんなのはお構いなしに女の手を振り解いた万里は脱兎のごとく走り出す。
「…万里が必死…久しぶりに見た」
「そんな悠長に構えてる場合?何がどうしてこうなったのか俺たちに何が出来るか考えようよ!」
「なぁ。もも。そういうの正義感っていっていいかわかんねぇけどそういうとこ好きだけどさこればかりは俺たちができることはねぇ。」
「でも!!」
「万里と千里だぞ?あいつらがちゃんと意味もなくそんなことになると思うか?二人の関係のことは2人で解決すべきだ。でないとあいつらおかしなことになる。だから今はおとなしくしてろ。二人が俺たちに話してくれることがあればしっかりと聞いてやれば良い」
「ねぇ…」
あ…存在忘れてた…この女の子いたんだった
「何があったの?あんなに仲が良かったのに初めて見た。2人が目が合わないとこ…離れてるとこ…喧嘩したっていつも側にいたじゃない」
「良く見てるね」
「二人は気付いてないけどね。あ。あんたたちもか…私高校同じだったんだよ。二人とはずっと同じクラスで…だから知ってるの。万里くんの運転手と私はいとこなのよ」
「どうでもいいけど取り敢えず二人のことには口を出さないでくれる?」
「あのね。そうもいかないのよ。あの人が二人の様子をみていてっていってたんだから」
「運転手さん何かやらかしたんじゃないの?」
「わからない。でも…」
「えと…名前何?」
「今聞くこと?それ。白鳥 友里亜」
「えぇ!!あの?あの…デブスな?」
「バカもも。…あのさぁ。事実そうだったけどさ言い方他にないわけ?あんたやっぱバカなの?」
「あぁ!!その口調!!うわぁ!どうしたの?そんななって」
「あんたにフラれてからあんたを見返そうと頑張ったのよ。」
「へぇ。見違えた!!」
「そりゃそうでしょうよ」
「俺のために頑張ってくれたの?」
「頭沸いてんの?確かに始めはそうだったかもしんないけどさ変わっていくにつれて思ったのよ。何てバカだったんだろうって。あんたみたいなしょーもない男を好きだと思ってたあの頃の私。」
「えぇ?酷い…」
「それと…一くんも以外だったわ…なんでこんなんがいいのか」
「バカだからですよ?」
「それに言葉遣いも近くで四人を見てきたけど一くんが、一番以外だったわ…あんな王子さまで敬語キャラだったのにこいつの前では真逆な人」
「どっちが好み?」
「もものことずっと一途に思ってるとこかな」
「へぇ、気付いてたの?いつから?」
「大学入って半年くらいだったかな」
「ってか俺たちこんな話してる場合じゃないから!!万里と千里に場面を移します。どうぞ」
「だから。誰に向かっていってんの?」
「わかんない」
取り敢えず俺視点は一旦終了です。ではでは
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