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万里side 「せんちゃん!!」 追いかけてやっと追い付いたせんちゃんは他のやつに肩を抱かれ柔らかく笑ってた。 そんな顔…俺は最近見たかな?ううん…自分の感情を押し付けるだけできっと… 「そういうことね…」 今さらわかる事実をどうにか俺の中で整理してさっきの言葉を思い浮かべる 『別れよう…』 …もっと…せんちゃんのことを考えてあげればよかった…手放したくなくて…離れたくなくて… 「…わかったよ…せんちゃん…」 その日は勉強どころじゃなくて早々に帰宅して荷物をつめていた この家は俺がせんちゃんの為に買ったもの… 最後のプレゼント… せんちゃん…大好きだよ…でも…せんちゃんは…違ったよね?わかってた…早いうちからわかってたんだ… せんちゃんはただ断りきれなくて俺と一緒にいたこと…近くにいた都合の良い欲求不満を解消できる相手だったってこと… 「せんちゃん…」 そのまま部屋を出て電話を掛けた 『もしもし、俺。この間の話し…やるよ。うん…わかった…じゃあね』 電話の相手は代表である父。 手続きは父がやってくれるみたい。あまりにもスムーズに事が運びすぎて…あぁ…父は始めから俺に断る道は残していなかったのだと…そう悟った。 どうやってもあの人には勝てないんだ… 「北川さん。出して」 「はい」 北川さんの運転する車に揺られながら窓の外を眺めた… その足で空港へ向かいそのまま日本をたった 「北川さん。せんちゃんのことよろしくね」 道中北川さんはせんちゃんと話したことを教えてくれた。 やっぱり…俺には言えないこともこの人には言えるのだと…そう思うと自分はどれだけ自分のことしかみえてなかったんだろうって… 後悔したって遅いけど… その後俺は仕事は仕事でやることはやってたけど私生活は荒れに荒れて… もうあれから数年たった…もう…立派な大人になった… 一度も話すことなく離れたみんなを一日たりとも忘れたことはなかったんだ… 「万里?また昔のこと思い出してたの?」 「そうだね。やっぱそうなるよね。あんたはいいの?これで」 「構わないわよ。貴方は平気なの?」 「こればかりは…どうすることもできないよね。わかってるでしょ?」

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