「おはようございます。支配人」 「おはようございます。今日もよろしくお願いします」 出勤してきた万里は少し疲れているように見えた。少しは反省してくれたのだろうか… 「あのさ…千里…」 「はい」 「今夜…予定ある？ちゃんと話したいんだ」 「申し訳ありません。先約が入っておりまして」 「そうか…わかった…」 万里のこの泣きそうな表情はとても懐かしい 「そんな顔すんな。昨日のは大丈夫だよ。俺男だし。ごめんな。叩いて…痛かったよね？」 「せんちゃ…」 「ほら！可愛い顔が台無しだぞ！笑え。サービス業だろ。お前の得意分野じゃねぇか。な？」 「ん…ちゃんと…する」 「落ち着いたらまた一や百と飯でも行こうぜ。あいつら怒ってたぞ！急にいなくなったから」 「そだよね…うん…白鳥に調整してもらうね」 「白鳥さんも一緒にいけるといいけどな」 「ねぇ。せんちゃん。俺白鳥と結婚してないよ？昨日奥さんがどうとかいってたよね？」 「あぁ。結婚したって聞いてたからね。まぁ。それぞれの人生があるだろ。仕事戻ろ」 それから徐々に社員たちがやってきた。 万里の手腕はそれはそれは見事だった。さっきまで泣きそうになってたなんて嘘のようだ。 流石だな…長年この業界を仕切ってきただけある。 若くして地位を築いた万里はこの業界では結構有名で万里に憧れてここに就職してきた者も多い。 滞りなく研修を終え一日が終わる。 研修の始めの一週間はここで万里に教育を受ける その後週変りで他の系列に行きさまざまな業務を学ぶ。 俺と万里はそれをそれぞれで見回るのだ。 今日の研修を終えて皆を帰した後待ち合わせて白鳥さんと会うことになった。