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結局それからなかなか時間を合わせることをできず万里とプライベートな会話は1つも出来ていない。一と百との食事も叶ってない
とにかくやることは多い。休みは休みで疲れて家でグダグダと過ごす。
万里と俺が同じ日に休みをとることは不可能だ。
ホテルでの万里の教育を終えたら更に時間は合わなくなっていく。
仕事ですら顔を合わせることはない。それはそうだ、それぞれ違うところへ行くのだから。
白鳥さんは俺のところと万里のところをいったり来たりでとても忙しそうだ。
今日は久しぶりにあのマンションへ行こうと思ってた。だいぶ掃除できてないから
合鍵をもって久しぶりの扉を開く。
勿論人気なんてないしがらんとしてる。
さっさと掃除を終わらせて…
…万里の使っていた部屋…
そっと開けた。
ここに万里の物は全てそのまま置いてある。
棚の上にある写真たてもそのまま…
そこには俺と一と百と万里四人で高校の時撮ったものそして…俺たちが付き合い始めた頃の…まだ初々しい感じの…
そっと万里の顔を撫でる
「万里…」
頬を暖かいものが伝う…
「…万里…」
溢れ出す滴は止まらなくて静かに流した
名前を呼ぶ度胸が痛くて…
「ごめんな…お前と同じ気持ちになれなくて…」
それでもやっぱり俺の好意は万里のものと同じにはならないんだ…ごめん…ごめんね…
気付いたら眠ってしまっていたらしい…
目が覚めたらもう外は真っ暗だ…
「どれくらい…寝たのかな…」
体を起こす…あれ…毛布が掛けられていた。無意識に万里のベッドから下ろしたのだろうか。目線をあげるとドアの隙間から明かりが入っていた
「俺…つけたっけ?」
不思議に思って毛布を万里のベッドに戻して扉を開けた
「なんで…」
「あ。おはよ…。せんちゃん…」
「万里…」
「…ごめんね!勝手にここ使わせてもらってた…まさかいるとは思わなくて…ごめん。すぐ帰るから」
「いや…もとはお前のだしいいけど。ごめんな。寝てた」
「…ううん…せんちゃん…ねぇ」
「ん?」
「泣いたの?…」
万里が心配そうに頬に触れてきた。久しぶりの万里の優しい温もりに涙腺が壊れたみたいだ。ぽろぽろと頬を濡らしていく。
「せんちゃん…あの…」
「ごめんね…万里…。お前と同じにはなれない」
「…いいんだよ。わかってた。でも…忘れるなんて無理だった…忘れろなんて言わないで…せんちゃんにまたより戻そうなんて言わないから…せんちゃんの幸せを誰よりも願ってるから…だから…そんな顔しないで…ごめんね…ごめん…せんちゃん…好きでごめんね」
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