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「万里」 「せんちゃん」 「白鳥さんから聞いたの?」 「ん…ごめんね。勝手に来て。でも不用心だよ?俺が来れる可能性0にしとかなきゃ!鍵そのままなんて…不用心だ…よ…」 「…手放せなかった…この場所…お前と過ごしたあの時間が居心地よくて…楽しくて…」 「せんちゃん…」 「期待しちゃうから…」 「ごめん」 「…」 「…あ!そうだ!万里飯食った?」 「ううん。まだだよ」 「久しぶりに飯作るか。折角だし一と百も呼ぼ」 「…」 「万里…」 「…二人で…過ごしたい…今日は…これで最後にするから…」 「…」 「…ごめん…やだよね…2人の連絡先ってかわってる?連絡するね!久々だしせんちゃんのご飯食べたい!!一緒にお買い物はいってもいい?車出すし」 「万里が運転すんの?」 「へ?そうだけど?」 「運転…できんの?」 「は?失礼だなぁ。俺が何でもできる人ってこと忘れてない?今は通勤自分でしてるの!」 「え?北川さんは?」 「今親父の専属になってる」 「そうなんだ。前任の人は?」 「あぁ。随分と年を取ったのでって本人からの申し出で引退したよ。今はどこかの海辺の町でのんびり生活してるっていってた」 「そうなんだね」 「うん!あ。でさ2人の連絡先は?」 「変わってないよ」 「知らない番号だと警戒しちゃうかな?」 「一は大丈夫じゃね?」 「んじゃ、いっくんに連絡してみる…まだ仕事かな?」 「いや。あいつ残業とか接待とかしない主義だから今頃家で百といちゃついてんじゃね?」 「よっし!2人の邪魔してやろっと」 万里が2人の連絡先を残していたことも驚いた。忘れていたわけではなかったんだ。俺と切るため…きっちりけじめをつけるため連絡してこなかったんだ… あんなに…俺のことを想っていてくれた…今でもそうだと言ってくれる…そんな万里がこんなに長く耐えていたのだと…万里のことを思うと胸が痛かった。俺は他の人と結婚して幸せに楽しく過ごしていた…その間万里はどれだけ悩み、苦しんで…藻掻いてきたんだろう… 仕事に関しては非常にストイックで真面目な万里。心を殺して仕事して帰宅したら俺はいなくて…俺なら耐えられない…全部投げ出して逃げるだろう…やっぱり万里はすごい… 万里が通話のボタンを押す。ややあって相手がでたようだ。不機嫌そうな声が聞こえていた 『もしもし』 「もっしもーし!!いっくん?俺俺…」 『俺って知人はいません』 「ちょ!いっくん!万里だよー」 『そんな友達を無下にするような名前の人知りませーん』 「いーちー!!ごめんって!!ごめん!連絡できなくてごめんねぇ!今ねせんちゃんといるんだけどね」 『…もっしもーし!万里!万里!万里!!』 『おい!勝手に出んな。バカ百。こんな人知りません!切りなさい』 『やーだー!!万里ー!!ばーんりー!!』 電話先でワーワー言ってる二人に思わず笑みが溢れた 「ふふっ。相変わらずだね。百ちゃん久しぶり」 『万里!!殴りにいくからどこいるか教えろ!!』 「ふえっ!?殴らないでよぉ」 『やーだー!!』 「今…せんちゃんと住んでたマンションにいるよ。わかるよね?」 『わかる!一!一!一!いこ!連れてって。ほら!はやくはやく!!』 『ちっ…わかったよ。、万里。お前覚悟してろよ』 「…わかってる」

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