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「万里…」 「ごめんね?せんちゃん…より戻すなんて言わないっていったのに」 「…俺んちここだから。送ってくれてありがとう」 「ん。」 「気をつけて…戻って…」 「…せんちゃん…そんな顔されたら戻れない…今自分がどんな顔してるのかわかる?抱き締めるよ?いい?」 「ん…」 「俺の方が小さいから格好つかないね…」 そういいながら万里は何度も俺の背中を撫でてくれた。 「せんちゃんも一緒に戻る?明日の準備して。みんなで同じとこにいたら寂しくないよ。ね?俺ここで待ってるから」 「万里…万里…俺ね酔ってるの。明日はきっと覚えてない…だから…ね?」 そのまま万里の手を引いて部屋に招き入れた 玄関先でまだ万里は戸惑っていた。そして…ポロポロと涙を流した 「万里…」 「ここで…奥さんと暮らしていたの?」 「…あぁ」 「まだ…奥さんのいた気配があるね。実はより戻したとか…」 「戻してないよ。ただ、まだ荷物があるから俺のいない間にここに来てるみたい」 「やだ…入りたくない…せんちゃんのこと酷くしちゃう…だから…やだ…」 無神経だった…俺のことこんなに好きでいてくれるのに妻と暮らしたここへ招き入れたのは… 「…じゃあ。ここで待ってて…準備してくる…」 「ん…待ってる…」 急いで準備をして万里の元へ戻った 「お待たせ」 「せんちゃん…手を繋いでもいい?」 「…いいよ…」 「だめって言わなきゃ…もう」 「俺。酔ってるから」 そういって万里の手をとって身を寄せた 「せんちゃん…やめよ?…同情?そんなの要らないから…もう…せんちゃんを傷付けたくないの…」 「…万里…」 もうだめだった。色んな思いが次々と沸き起こって…万里をドアに押し付けて唇を奪ってた。 再会のときはあまりにも唐突で驚いて拒否してしまったけれど…今こうして万里を感じているとあの頃の楽しかった思い出、苦しかった思い出が走馬灯のように写し出されてた。 初めて会った日…友人になった日…共に笑い、切磋琢磨しながら過ごした日々。 そして…初めて体を重ねパートナーとして過ごした毎日。 別れを告げた日…離れてみて気が付いたいろいろな感情… あぁ…そっか…俺は… 万里に触れたくて…触れて欲しくて…何度も何度も角度を変えながら万里の甘い唇を堪能していた 「…せんちゃ…どしたの?」 「万里…万里…会いたかったんだ…ずっとずっと…待ってた…」 「っ…」 「万里…俺は…」 「せんちゃん…待って…やめて…一先ず向こうに帰ろ。」 最後まで言わせてくれなかったけど…繋いだ手はそのままだった

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