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「せんちゃん…」 「…万里…俺は」 「待って。それ以上は言わないで…」 「どうして?」 「…俺は…」 「…万里…俺ね、気付いたよ。ごめんね。わかんなくて」 「…せんちゃん。酔ってるんだよ。だから変な感じになっちゃってるだけ。今日は寝よ?隣にいてくれる?」 そうだよね。あれだけ友人以上の感情は持てないと言い続けてきたんだ。 万里がそう言うのも頷ける。 「ごめん…やっぱ酔ってるかも」 「ん…」 「だから、一緒に風呂はいろ?」 「なんでそうなる?」 「ん?酔ってるから?ほらほら!行こ」 強引に手を引いてバスルームに連れ込む。 そして万里の服を脱がせていった。 相変わらず華奢だけどあの頃より筋肉がついてた。着痩せしてたんだなってぼんやり思う。 「万里。筋肉ついてる」 「うん。何もすることなくてちょっとだけ筋トレしたの」 「俺筋肉落ちたからなぁ」 そう言いながらさっさと全てを脱ぐと万里が俯き頬を染めた 「何?男同士だよ?そんな照れないでよ」 そう冗談めかして言いながら万里の手を引き風呂に押し込んだ 「あ。風呂溜めたんだ。いつの間に」 「一かな?」 「あいつらはいった気配ないけどね」 「そだね。でもありがたいね」 先に万里を湯船に浸からせて自分を清めていく。万里がちらちらと盗み見てるのは気付かない振りをして 「万里の番。俺が洗う」 「へぁっ?」 「変な声出さないでよ。」 「いや…だって」 「ほらほら。早く」 無理やり風呂椅子に座らせて万里のセットされた髪を乱していく。次第にサラサラとなっていく万里の髪を堪能しながら。 髪が降りた万里はやっぱり可愛い顔してていつもより随分と幼くなる。クリクリしてうるうるしてる瞳を見てると胸が高鳴っていく。 「やっぱ。万里はかわいいね」 「は?」 「こんな姿沢山の人に見せてきたって思うと妬けちゃうな」 「せんちゃんだって…そんな綺麗な姿見せてたんでしょ?」 「…お前と別れてからは元嫁だけ。でもあの人とは…付き合いだしてから数回しか…だからほとんど見せてない…何だろう?そんな気にあんまりなれなかったんだよね。彼女もそんなにそういうことしたがるほうではなかったから…だから誰よりも俺の姿を見てるのは今も万里だね」 「…」 「体洗うね」 モコモコの泡をつくって万里のきめ細かい肌を撫でていく。 触り心地もあの頃と変わらない 「こうやって誰かにやってもらってた?」 「ううん…関係は沢山の人とあったけど…あまり触られたくなくて…自分本意な欲を放つだけの行為をしてた。やるだけやって相手を放置して…いつも帰ってた。一晩誰かと一緒に過ごすことも…しなかった。本当に…最低だよね。キスもしたくなかったから…あれからはせんちゃん以外としてない」

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