万里は俺が思ったよりもずっとずっと大人になってた。 前の万里なら…再会したての頃ならそのまま流されていただろう。 何だか急に恥ずかしくなって言葉がでない。 ちゃんと…酔ってないとき…か 実は俺は今日はほとんど飲んでいない…でも…あぁでもしないと伝えられなかった… 万里…俺は… 「俺はリビングで寝るね。せんちゃんは寝室使って」 「やだ…一緒に寝る」 「…わかったよ」 精一杯の酔った振りの最後のわがまま… 万里は困った顔のままで頷いてくれた 何となく気まずくてその後はあまり会話もできなくてほぼ無言で片付けをして一緒に寝室へ向かった。 ここに来たときは必ずこの部屋に入って万里のことを思い出してた… 今ごろどうしているだろうか…元気にやってるのだろうか… 久しぶりに二人で並び横になる。万里を抱き寄せ足を絡ませた。 「せんちゃん…」 「…」 聞こえない振りをしてぎゅっと抱き締める。 こうやってたら万里は無理矢理剥がすようなことはしなかった。 暫くすると寝息が聞こえてきた。安心しきった顔で俺に身を預けている万里に胸が高鳴る。 「万里…好きだよ…」 万里を抱き締めたまま俺も目を閉じた。