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百代side 「んん…ん?」 隣にはいつも通り一呂がいて、でもここは… 「千里たちの家…はっ!一呂!一呂!」 「んん?なぁに?もも。今日もバカ面だね」 「うっせ。千里と万里は?」 「あぁ…うん。何か良い方に向かってると思う。ただ…後は千里の頑張り次第かな…万里の不安は底知れないから…」 「…そっか…」 「起きよっか。ちょっと…いや…随分と早いけど…」 ここに泊まらせて貰っていた時、実は朝の弱い千里と万里の代わりに朝食を準備してた。 まぁでも社会人になったからそんなにゆっくり寝てはないだろうけど 「シャワー借りよっか。昨日そのまま寝たし」 「一緒にはいる」 「うん。おいで」 部屋を出るとポツリと人影 「万里?早いね」 「うん。目が覚めちゃって。おはよ。いっちゃん。ももちゃん」 「千里は?」 「まだ寝てる。もう少ししたら起こすよ」 「朝俺らが作る?」 「うん!久しぶりにいっちゃんのご飯食べたい」 「おっけ。取り敢えず風呂借りるね。千里は何時に出れば良いの?」 「後三時間後くらいかな」 「了解。もも。いこ」 いつものように一に手を引かれて風呂に向かった。いつものように洗いっこしてちょっといちゃこらしてリビングに戻る。そしたら小さく声が聞こえた…びっくりして万里の側に急いで駆け寄った 「万里?泣いてる?どした?」 「ん?あぁ…ごめんごめん。何か色々思い出したら…大丈夫だよ。ありがと。もも」 「…何かあったんでしょ?話してよ」 「…ふふ…ありがとう…」 「万里。吐け」 「あぅ…いっちゃん…怖いって…」 「うるせー。お前らの姿を見せられる身にもなれ。逆ならお前もそうなるだろ?」 「うん」 「わかってんなら吐け」 「…そだよね…えっと…あのね…」 万里は話し始めた 昨日千里に誘われたこと、好きだと言われて嬉しかったこと…でもそれは千里が酔っていたからできっともう今日は覚えていないってこと… そしてあの頃の自分の間違い… 多くのことを話してくれた万里の瞳にはまだ涙が浮かんでた 「でもね!でも…酔ってたから出た言葉だとしても俺生きていけるよ!嫌われてなかったってことがわかったから…嬉しかったんだよ…」 そう言いながら泣きそうに笑う。 こんなに好きなくせに本当に…変な風に大人なふりしてるなんて 万里は自由奔放で素直で我慢なんてしないやつだった。 千里を傷つけたこともあることは事実かもしれないけどもう少しだけわがままになっても良いって思うんだ

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