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垓side 「大丈夫なの?検査するんだって?」 「うん。するよ。万里が心配しちゃって…」 「そう。垓くんは体調悪くても気付かない子だもんね。我慢しちゃうし。万里くん帰ってきてくれていて良かったね」 「そうだね。でも万里より千里くんの方に激しく叱られちゃった」 「ふふ…千里は優しいからね」 「ねぇ。史澗くん」 「ん?」 「千里くんうちの息子にしてもいい?」 「千里と万里くんがいいならいいよ。そうなったら…俺の願いを代わりに叶えてくれるわけだ…」 「え…?どういうこと?」 「ねぇ。垓くん」 「ん?」 「俺のことまだ好きでしょ?」 「っ…知ってたの…?」 まさかばれていたなんてこの年まで全く気付いていなかった…うまく隠せていたと思ったのに…隠すのは得意だったはずなのに… …何を言われるのか怖くてうつ向いてしまう。気持ち悪いと言われてしまうのだろうか…嫌われてしまうだろうか…そう思うと悲しくなって涙が溢れそうになる。 ゆっくりと俺に近付く史澗くんの気配を感じた。史澗くんは俺の頭を優しく撫でると俺の顎を長い綺麗な指で掬い、上を向かせた。そして触れるだけのキスを寄越した。 あまりのことに驚いて涙も引っ込んでしまう。今のキスの意味を問い質したいけど言葉がでなくて唇を引き結んだ 「知ってたよ。俺も同じ気持ちだったから…でも…君には東雲があったでしょ?だから俺は気付かない振りをして何も言わず離れた。そして遠い土地へ行ったんだ。君を諦められるように…」 「そ…な…」 「驚いた?」 「…」 言葉がでなくてコクコクと頷くことしかできない 「垓くん…」 そう色気たっぷりに名前を呼ぶ史澗くんの表情に釘付けになる ベッドの縁に片膝を乗せ身を乗り出した史澗くんがそのまま俺を押し倒した 「史澗くん…」 「…垓くん…大好きだよ…」 そのまま熱い吐息が重なって互いの口内を犯し合う。 「史澗くん…っ…んっ…」 「垓くん…はぁ…ごめんね…急に…」 「ううん」 「垓くんがまた倒れたって聞いて…俺…すごく不安になって…急いでここに来ちゃった…ここで百面相してる垓くん見たら我慢できなかった…垓くん…早く…元気な姿を見せて…あの頃より痩せちゃったでしょ?前から華奢だったのに…千里にね入社式の写真を見せて貰ってたの…そこに写る垓くんが何だか小さくなったように見えて…心配で心配で…会いたくて会いたくてたまらなかった…でもね…俺…今日まで我慢したんだよ…けど…垓くん倒れちゃうから…」 史澗くんの真っ黒な瞳が苦しそうに俺を見てた 「垓くん…ねぇ…もう…俺我慢したくないよ…垓くんが欲しい…垓くんと生きていきたい…でも…千里たちのこと思うと…だからねぇ…垓くん…子供たちは秘密になっちゃうけど…俺と…共に生きてくれない?」 「史澗くん…」 「だめかな?やっぱり…」 「嬉しい…嬉しいよ…史澗くん…俺…早く元気になるから…だから…その時は…」 「うん…」 俺たちの新たな幕が開いた瞬間だった…ごめんね…万里…俺は…

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