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「あ。ねぇ、万里くん」 「はい」 「手術の日、俺ここにきていい?垓くんのこと心配で」 「えぇ。助かります。実は俺、その日どうしても来れなさそうだったんです。お仕事は大丈夫なんですか?」 「うん。大丈夫だよ。じゃあ俺が代わりについてるね。いいよね?垓くん」 「いいよ。心配性だねぇ」 「うん。俺垓くんが大好きだからね」 「知ってる」 「仲がいいんですね。」 「うん。学生時代はずっと一緒に行動してたしね」 「…じゃなくて…違ったらごめんなさいけど…親父と史澗さんって…恋人同士…とか?」 万里の問い掛けに二人揃って首をかしげ見つめあってた 「ん~…だとしたらどうする?」 父は俺とそっくりだがいつも色気を大放出してるからただ首をかしげただけなのに相当なもんだ。その色気に当てられたのか万里がほんのり頬を染めた。その姿に自分でもわかるくらい嫉妬してる。同じ顔なのに万里のあんな顔は俺はあまり見たことない。 「え?あ。いや。親父は元々そっちだったのかって思ったこともあったし二人が並んでるの想像しても…全く違和感ないし…ていうかお似合いだしむしろそうであって欲しいと言うか…」 「は?」 「垓くん。そんな威嚇しないの」 「してないもん…」 「あぁ。大丈夫です。」 だとしたら…俺は万里を諦めなくてはならないのかな…そんな風に思ってたらその言葉がそのまま出てた 「だとしたら…俺はどうすれば?俺の思いはどこにいくの?」 「…えっと…」 「…ん~…思いは人それぞれ。一つ一つ大切にすればいいと思う。千里。万里くんのこと好きなの?」 「父さんならわかるでしょ?」 「…わかるよ。でもうまくいってないみたいだね」 「俺の一時の気の迷いだって思われてる。でもそういわれても仕方のないことを長くしてきた。だから俺は頑張るよ。父さんたちがそうであっても俺は構わず好きで居続ける」 「…垓くん」 「はい」 「どうしましょっか?」 「俺に委ねないでよ。史澗くん」 「万里くん。万里くんは千里のことはどう思ってるの?」 「俺はずっとずっとせんちゃんが好きです。何にも変えられない」 「なんだか面倒なことになってそうだね」 「…だって…せんちゃんは…」 「本当に面倒くさい…面倒くさいの嫌い…だから…二人はより戻して。で、もし千里が追々勘違いだったとかふざけたこと言い始めたら俺が千里殴りにいく。そして万里くんもらおうかな。可愛いし。千里より満足させる自信あるし」 「史澗くん。うちの子口説かないでくれる?」 「やきもち?」 「うん。万里が照れてるのに腹立つ。俺にも照れて欲しい」 「そっち?」 「当然でしょ?俺の子なんだよ?だいたいねぇ、史澗くんいつも色気大放出し過ぎなの。少しは押さえてくんない?」 「そんなこと言われたって仕方ないじゃん。出ちゃうんだから」 「千里くんはうまく出来てるのに何でできないの?同じ顔なのに」 「千里は鈍ちんだからね。気付いてないんだよ。自分がどれだけ魅了する容姿を持ってるのか」

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