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彼と別れてから二人で外食をした 「彼のこの先が楽しみだね」 「うん」 「彼だけじゃない。他の子達も」 彼らのこと、ホテルのこと…たくさんの話をした。 こんなに真面目に話したことはこれまでないかもしれない。 それだけ万里も俺もこの仕事に誇りを持っているのだ。 そこに白鳥さんもやってきて話も盛り上がった 「あ。そうだ。万里」 「ん?」 「私結婚するから」 「うん。友里亜がこっちに残るって話してたからそうだろうと思った。父には報告してるんでしょ?」 「えぇ。那由多を長く待たせた…もう離れたくないの。勿論仕事はバッチリさせてもらうけどね。千里くんよろしくね」 「え?」 「万里が戻ったら私は今度はあなたのお目付け役よ」 「そうなの?」 「えぇ。よろしくね」 「友里亜は支配人の仕事はできる。せんちゃんがお休みの時は彼女がやってくれるから安心してね」 白鳥さんがいてくれるのはとても心強い。 「万里さ、こっちいる間の部屋私にちょうだい?」 「何?急に。」 「流石にずっと那由多のとこにいるのもね。お義母さんヤキモチやいちゃって大変なの。だからお願い!」 「え?じゃあ俺は?」 「千里くんとこでいいじゃん。あのマンション借りてよ。ねぇ?だめ?千里くん」 「あそこは元々万里のものだし構わないよ」 「いっそのこと、この期間だけまた同棲しちゃえば?」 「それはやめとく。今ね俺、もう一度万里に認めてもらうために必死なんだ。一緒にいたら甘えちゃうし万里も優しいから甘えさせてくれちゃうから」 「なぁに?惚気てるようにしか聞こえないんだけど?」 「俺さ付き合ってたときさ好きって伝えたことないし結構酷い態度とってきたんだよね。万里が不安なのわかるんだ。だから俺は思い続けて会いに行こうと思ってる」 「ん~…まぁ。二人がいいならいいけど?二人とも魅力的なの忘れてなぁい?沢山の誘惑が待ち受けてるわよ?」 「そんなのには乗らないよ。俺には万里だけだってわかっちゃったしね。元奥さんには申し訳ないけど…」 「…この間見掛けたわ。とても幸せそうだったわよ」 「ふふ…よかった…」 そしてあっという間に時は過ぎて… 「またこちらに来た際にはお立ち寄りくださいね。支配人」 みんなに見送られて万里は向こうへ戻った。 万里が戻る前に父たちは籍を入れた。 幸い会長はすぐに仕事復帰をしていて今は父と一緒に暮らしている 万里の実家は北川さんたちに譲渡されたが北川さんたちはそこには住まず大きな家は旅館にリノベーションをされた 富裕層の人たちが多く訪れる隠れ家的宿になった。 うちのホテルは平日もほぼ満室になるほどの評判となった。いくつもの賞をもらえるほど各方面から称賛された。 起動に乗った頃、垓さんは会長職を退いた。 今は父と2人仲良く隠居生活だ。 万里と俺は直接連絡を取り合うことはしなかった。連絡をしたらすぐにでも会いに行きたい。そう思ってしまうから… 垓さんや父とは連絡はとっているので万里が今どこで何をしているのかは逐一聞かされた。会いたい衝動を唇を噛み締めて耐えて俺は仕事に専念した。 万里が戻ってから数年。 俺たちは一度も会うことはなかった。 多くの人が声をかけてくれたけれど誰の誘いにも乗らず会っていない分万里に対する気持ちは募り今はあの頃より万里を…

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