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一呂side 翌朝 「一。はよ。ごめんね!昨日…飛んじゃって…」 「いいよ。可愛かったし…」 「今度さ…親に溝芽を預けて…二人きりですごそうよ…もっと…いちゃつきたい…」 「うん。お前のとこが良いかな?俺のとこ?」 「うちでいいかな?聞いてみておくね」 「うん。いつにする?明日?明後日?」 「聞いてみる」 頬を染めながら早速連絡を取った百。 百の両親は俺の事をとても気に入ってくれているから直ぐにOKしてくれた。しかも二日とも預かってくれるらしい。 「二日ともベッドから出られないって思っておいて…いい?」 「ん…嬉しい…」 「今日午後休とれたら取ってくる。買い出しいこ?」 「うん!また連絡してね」 その日は無事午後休もとれて買い出しも行った。久しぶりの外に百は楽しそうだった。 溝芽の送り迎えはいつも俺がする。百を一人で出歩かせるわけないしそれを今も忠実に守ってくれる百が可愛い。 「一、一!!」 満面の笑みで俺の手を引く百の姿ににやけるのを精一杯我慢する。 二人揃って迎えに行くと溝芽も百そっくりの満面の笑みだ。 「パパぁ」 走って抱きついてきて百の腹にグリグリと頭を押し付けた。 「溝芽くん!」 溝芽を追って一人の男の子がやって来た 「また月曜日ね。たいちゃん」 すると目の前でたいちゃんの頬に口付ける息子。…たいちゃんも嬉しそうにしてる 「え?あ?え?」 「あぁ。パパ。紹介するね。僕の恋人の太陽くんだよ。可愛いでしょ?パパには負けるけどね」 「…えと…江口 太陽です」 「お話は聞いてるよ。また溝芽と仲良くしてあげてね?」 「…やっぱり可愛いね。溝芽くんのパパ。だから僕は二番目なんだね…」 「ふふ…たいちゃん。ヤキモチ?」 「…溝芽…どこでそんな言葉覚えるんだ?その表情とか…一にそっくり」 俺はたいちゃんの存在は知ってた。毎日朝は出迎えてくれて帰りも見送ってくれるから。 たいちゃんの両親は共働きで朝も早いのでいつも最初に来て最後に帰るそうだ。 「たいちゃん。愛してるよ」 「…ちょ…」 先生は、その二人の可愛いイチャイチャを微笑ましく見てるから普通の光景なのだろう。 「溝芽帰るぞ」 「はぁい。」 そういってもう一度たいちゃんにキスすると俺と百の間に挟まれて手を握った 「ちょっと!溝芽」 「なぁに?パパ」 「あの…その…」 「たいちゃんのこと?何?パパもヤキモチなの?」 「違うし。」 「もう。パパは可愛いなぁ」 「お前はどこでそんな言葉とか覚えんの?」 「え?お父さんがいつもいってるじゃん。やってるじゃん」 「あぅ…そうだけど。女の子は?」 「女の子?いるよ。いろんな子が僕のこと好きって言ってくれるけどたいちゃんが一番可愛い」 「顔か?」 「うん。でもそれだけじゃないよ。みんなに優しくて弱いものいじめする子は許せないからやっつけちゃうんだよ。可愛くて強いっていいよね」

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