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第92話
「溝芽は?」
「待ってる間に寝ちゃった。今朝二人に会いたいって張り切ってすごく早く起きたから限界だったんだろうね」
そう言いながら自然に一を後ろから抱きしめ頬摺りした。その百を愛おしそうに抱き寄せてキスをする一の自然な動きをみて万里は目を見開いた。
「すごいね」
「ん?何が?」
百はトロンとした表情で何度も何度も一にキスを強請った。そしてふわりと微笑む
「エッロ…」
「二人はいつもこんなだよ」
「いちぃ」
「どうしたの?百」
「ここだったらぎゅってしてもらえない…だからあっちのテーブルいこ」
そういってローテーブルの方へ移動して床にぺたりと座った百を後ろから包み込む。
「お前らはそっちのソファ使って。すこーし百を補充させて」
そういうと百に何度もキスをする。見てるこっちがなんだか変な気分になってしまう
「万里。見過ぎ。俺の百を見るな」
「目の前で始める人が悪いと思いますけど!!」
万里はテーブルを叩いて身を乗り出す。わなわなと震えながら。
「ふはっ!!もう!万里。そのままじゃん!!本当に記憶失ってんのぉ?あははっ!!」
百が大笑いする
「だってぇ!その表情とか突っ込み方とか変わってないもん!!…うぅ…良かったよぉ…おかえりぃ…万里ぃ」
「百。お前は忙しいな。」
「いちぃ!だってさこんな日がまた来るなんて!嬉しくないはずないでしょう!泣かないわけにはいかないでしょ!」
「はいはい。そんなきったない顔して熱く語らないの。ほら。はなちーんってして」
「…」
「一。万里が固まってる。やりすぎ」
「あれぇ。ちょっと刺激強すぎた?うちの百バカだけどエロい顔と体してるもんね」
「そういうことではない。せんちゃん。本当にいつもこんな?」
「今日はまぁいつもよりすこしね」
「んもう!!俺まだせんちゃんとこうなってイチャイチャしてないのに!」
「「えっ!!??」」
二人声を揃えて驚いた事に訝しげに眉をひそめた
「なに??なんなのぉ!?」
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