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第94話
百代Side
「一ぃ…」
「なぁに?相変わらず名前呼ばれただけでイくの可愛すぎ…」
「恥ずかしいよぉ…」
「大丈夫だよ。全部愛しいよ」
そっと一路がキスしてくれる。優しい笑顔だ…この笑顔が俺は好き。気心の知れた人にしか見せない優しい笑顔…
この笑顔を見れるのは一生のうちに数えられる人だけだろうな…
一路は自分を見せるのを嫌う。元々なんでも持ってた一路は小さい頃からいろいろな視線に晒されてきた。
わざわざ俺なんか選ばなくったって沢山選択肢はあったんだ。
なのにずっと好きだったって言われちゃったらさ…断れるやつなんていないと思う。
体から落とされたって言ってるけどな…本当はさ…ずっとさ…ずーっと…
俺は女好きっていったら女好きだったけど…でもね、女を抱きながら俺をその女に映してた。
もしこうやって俺を貫くのはあいつならどうなるかなって…この女みたいに下品な声上げてよがるのかなって…
「百…何考えてる?」
一路が不満そうにこちらを見た
「ん?一のこと考えてた。俺の旦那さん本当にいい男だなってさ」
「もっとマシな嘘つけよ。バカ百」
「本当だってば。お前は出会った頃からいい男だよ。最高の旦那様だ。そんな男の嫁にしてもらえて最高に幸せものだなって。なぁ。一。俺を選んでくれてありがとうな。お前を欲しがるやつなんていくらでもいたのに俺を選んでくれてありがとうな」
「っなっ…な…おまっ…」
「あ!一のそんな顔!初めて見た!!なんだよぉ!そんな顔も見せれんのかよぉ」
いつも余裕な一路の照れ顔なんて見たことなかった。もっともっと見てみたい。そんでそんな無防備な顔俺以外には見せてほしくないけど…でも親友たちにならいいかなって。
あっちできっと今頃手なんか繋いで寄り添ってるであろう千里と万里にはみせてやってもいいかなってちょっと思った。
それだけ二人は俺達にとって大切なダチだから。
俺たちはさ結局4人とも一緒に幸せになんないとならないと思うんだよね。
だから…本当に…本当に…幸せなんだ
「また泣く?」
そうやってにやりと笑いながらも優しい手付きで俺の涙を拭ってくれるんだ…
「…あいつら…何度も繰り返してるけど…その度俺らも何度だって思うけど…やっぱりあいつらはいつも一緒じゃねぇと落ち着かねぇよな…今度こそ…今度こそは…」
そう言いながら本当に柔らかい顔で…きれいな笑顔でまた俺を惚れさせてさ…一…本当に…誰よりも愛してるんだ…ちゃんと届いてっかなぁ?
「一路」
「ん?」
「愛してる」
「…っ…なんだよぉ…どした?百…二人に感化されたのかよ…そんな面と向かって真面目な顔で言ったことねぇくせに…」
「ずっと…そう思ってたよ…今だって思ってる…恥ずかしくて…言えなかったけどさ…」
「あぁ!もう…お前…」
「一路。泣いてる?」
「うっせ…見んな…本当はさ…不安だったんだ…お前からヤッてる時以外で言われとことなかったから…だから…」
「ごめん…これからは…もっとちゃんと伝えるから。な?」
俺より高い位置にある頭を抱えて俺の胸に埋める。
「わかるだろ?俺…こんなにドキドキしてんだぜ?お前といるとさ…こんだけ愛してんだ。だから…死ぬまで…ううん…来世も…この先もずっとずーっと…愛してくれよ」
「当然だろ」
「ひゃ…真面目な話ししてんのに乳舐めんな」
「目の前にうまそうなもんあったら食うだろ?」
そういってあっという間に俺から主導権奪って幸せに包まれて重なるのだ
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