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「やめてってば!」 いつの間にか下半身は冷気にさらされていた。彼が中心部を撫でるように舌を這わせていた。 「…やめっ…あっ!」 「いやいや言いながら良さそうじゃない」 「イヤだ…やめてっ…んんっ…」 「体は正直だね。こんなに悦んでる。さすが…多くの男を相手しただけある」 「そんなの!したことないって!!」 そんなとこ触られたら嫌でも反応してしまうんだ。誰にも触れられたことのないそこには刺激が強すぎるのだ。 「いたいっ!いたいっ!」 そこを甜めしゃぶりながら後ろの方をゴツゴツした太い指でいじり始めた。 「いたいっ!いたいよっ…やめてっ!」 「もう少し我慢しろよ。良くなるから」 急に優しい声で言うからふっと力が抜けた。その瞬間ズブリと中に彼の指がはいってしまう。彼は器用にそれを動かす。彼の指がある場所に触れたときビリリと痛みとは違う感覚が襲う 「あっん!!」 「垓のいいとこみっけ」 悔しくて情けなくて。だけど力が入らない そこを只管に撫でられると自分でも腰が動くのがわかった 「やっぱ淫乱だな」 「イヤだっ…こんなの…やだ…」 「そんな事言わないで。ごめんね。ごめん」 彼は悲しそうに一瞬うつむいた。そのまま顔を上げ下を触りながら優しいキスをしてくれた。さっきとは違う気持ちのいい感覚。 「垓…大好きなんだ…誰のものにもならないで…俺だけの垓でいて…」 気持ちとは裏腹に感じてしまう自分の体が恨めしい。こんな事…史澗くん以外に触れられたくなかったのにこんなにももっと強い刺激を求めているなんて…浅ましい… 「いれるよ?」 優しく言われて思わず頷きそうになるけどふと我に返って抵抗を始める。それに腹が立ったのか彼は僕の肩を噛んだ 「いたい!!やめてよっ!」 「うるさいっ!!」 彼は無理矢理己の怒張を中に入れようとする 「いやっ!!いやだっ!!やめて!!」 次の瞬間彼は部屋の端の方に転がっていた。その彼にまたがり拳を振り下ろしている人。 「絶対許さない。お前が誰であろうと許さない!」 何度も振り下ろされる拳にきゅっと目を閉じる 「史澗!!やめろ!!」 「許さない!!許さない!!」 三人がかりでようやく彼の上にいた史澗くんを引き剥がす。彼は既に意識を失っていた 「史澗!気持ちはわかるが今はそういうときじゃない!垓をみてみろ!」 虚ろだった史澗くんがはっとして瞳に光が戻ってきた。そして僕を抱きしめた 「垓くん!ごめん!ごめんね」 「史澗くん…」 「あぁ…ごめん…怖がらせて…こんなに震えて…ごめん…ごめん…穣くん…垓くんを…お願い…」 抱きしめていた体を離した史澗くんが僕に背を向ける 「俺こいつ連れてくから…お願いします」 史澗くんが伸び切った彼を軽々と担ぐ 「やだっ!史澗くん!行かないで!」 「でも…俺が怖いでしょ?」 「イヤだ…他の男に触れていることがもっとイヤだ!だから彼を離して」 さっきの史澗くんは確かに恐ろしかった。だけどそれよりも史澗くんが他の人に触れてる方がもっとイヤだった。僕を抱きしめてほしい…他の誰かじゃなく僕を…その思いをちゃんと受け取ってくれた穣くんが他の二人に目配せする 「ってことだ。史澗。そいつ渡せ。お前と垓は暫く休んでろ。な?」 三人を見送って二人で視線を合わせた

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