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万里が生まれて暫くして史澗くんも結婚して万里と同い年の千里という息子が生まれたことを穣くんに教えてもらった。 「なんの因果かねぇ。同い年で名前まで似るとはね」 「…史澗くんは…幸せにしてる?」 「…あぁ。とても幸せそうだったよ」 「良かった…」 史澗くんのことを色々教えてくれる穣くんのお陰で史澗くんが元気なことを知ることができてた…。会いたいな…って、思う時もあるけど…でも僕にはもう優しい奥さんと可愛い子供もいる…だから会うことも連絡を取ることもずっとしなかった 「垓くん。久遠寺さんに会いに行かないの?こっちに戻ってきてるんでしょ?」 「うん。行かないよ?だって僕には誰よりも大切な家族がいるもん」 久しぶりに二人きりで過ごす夜。ベッドで生まれたままの姿で篠田さんと愛し合っていたときそう彼女が聞いてきた。 「心配?」 「…」 「僕がまだ史澗くんを思ってるから?」 「…正直心配だよ。だけど我慢はしてほしくないなぁって思ってる」 「そんなこと言ってぇ。我慢してるのはそっちでしょ?もう!我慢しないでいいんだよ?今僕は君だけの夫です。君は僕を独り占めしていいんです!」 「…だけど…っあっ…」 「そんな意地悪な事言う可愛い奥さんにはお仕置きです!」 「ちょっ…待って!ああっ…」 可愛く泣く彼女が疲れ果てて眠るまで身体中を愛した。終わった頃に彼女の体には僕のつけた所有印がたくさんあってなんだか照れくさくなる。 「心配しなくてももう僕の一番は君なんだよ?」 疲れ果てて眠った彼女の髪をそっと撫でぎゅっと抱きしめて目を閉じた 久しぶりに史澗くんの夢を見る。史澗くんが幸せそうに笑ってる夢。 きっともう史澗くんを思い出しても悲しくはならない。あんな事もあったねって笑えると思う。きっと史澗くんもそうだと思うな。 あの日の別れがあったから今こうして大切な家族が出来たんだから。史澗くんに出会えて恋をして一緒に過ごして別れて…いろんな経験を重ねて…そして今の僕があるんだ。 ほんっとうに幸せだよ!いろんなこと教えてくれてありがとう! 今の幸せを手に入れるために通らないとならない道だったんだって今は素直にそう思えるんだ あの日、あの場所で史澗くんを見付けて、愛することを愛されることを知って自分を大切にすることと教えてくれた… ねぇ。史澗くん。あなたを誰よりも愛していました。きっとこの思いは生涯変わらないでしょう。 あぁ…もう…本当に…大好きだったんだ… 君が笑っていられますように…

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