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史澗side ある時からいつも明るくて元気なアゲハさんが少しずつやつれていった。 理由を聞いても誤魔化すだけで教えてくれなかった。だったらやることは決まった。 何でそんなことになっているのかと勝手に色々調べさせてもらうことにしたのだ。 そしたらストーカー被害に遭っていることがわかった。 俺を救ってくれた彼女に何か返したくなった。それに底抜けに明るい彼女を取り戻したくなったのだ 「アゲハさん」 「ん?んんっ!?どしたの?史澗!顔出してるじゃん!身綺麗にしてるじゃん!そのお綺麗な顔隠さなくていいの?目立ちたくないんでしょ?」 アゲハさんが本当にびっくりして腰を抜かしそうになってる姿が何だかおかしくてくつくつと笑う  「なんで笑ってんのよ!」 「いやぁ。たくさん男のお客さん相手してるのにやっぱり顔のいい男には弱いのかなぁって思ったらおかしくて。アゲハさんさ。今彼氏いる?」 「いや。いないけど」 「そしたらさ…暫くうちに来ない?」 「えぇ!?何?やらしいお誘い?その顔だと行けると思ったぁ?御生憎様。私はそんなに安かないわよ」 頬を真っ赤に染め上げながらぷいっとそっぽを向くアゲハさんが何だか可愛らしく見えた。そんな姿見たらもちろん誂いたくなる。 「えぇ?やらしいお誘いして欲しかった?アゲハさんったら…。助平なんだからぁ…」 「違うっ!そんなわけないじゃん!!」 必死で否定するアゲハさんはとても可愛らしかった。まだまだ誂いたい気持ちはあるが今はそれところじゃない。悩んでいるのなら何かしたい。助けることは俺には身の丈に余るけれど…俺を助けてくれた人だから何か少しでも返したいんだ 「でもねぇ。残念ながら違います。今厄介な人間にストーカーされてるでしょ?」 「えっ…」 「家に戻るのも本当は怖いでしょ?俺の家セキュリティしっかりしてるし部屋も余ってるから俺の家の方が安心かなぁって。次いでに俺がボディガードしたげる。穣くんに色々聞いてんでしょ?本当の俺のこと。俺はアゲハさんに助けられた。だから俺はあんたに恩がある。それを返す」 「…」 「穣くんがアゲハさんの悪い癖って言ってたよ。どんなに苦しくても辛くても一人で解決しようとするって。だけど今回はそうはいかないでしょ?だって相手が悪すぎるもん」 「…何で…それを…」 「うん?聞いてない?穣くんに。俺の情報収集能力。流石に日々窶れてくアゲハさんのそんな姿みてたら周りは騙せても俺は騙せません。ってことで対策を練らなきゃだから色々聞かせてもらいますよ?」

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