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それからあまり日も経たないある日のこと、家で史澗くんと寛いでたら久し振りの相手からの着信だ
今、万里は昔からお世話になっている人をハウスキーパーとして雇っていた。平日は家に戻ることも遅くなってしまうことも多いため家の中のことを彼にお願いしていると聞いていた
彼は東雲のとても有能な執事だった。お母様が体調を崩されたのをきっかけに向こうに帰国していたのだ。
「もしもし…。旦那様。お久しぶりです。」
「マイク。元気だったかい?」
彼はマイクという。久しぶりに聞くマイクの声がとても明るく聞こえた。どんな内容の電話なのだろう?長く一緒にいるパートナーと何かあったのだろうか?そう思って話を聞く
「えぇ。今万里さまが千里くんを連れて帰ってきましたよ。とてもとても幸せそうでした」
突然の報告にびっくりしてひっくり返りそうになった。それを後ろから抱き止めてくれた史澗くん
「そうなのか!?史澗くん!史澗くん!!」
あまりにも嬉しくて至近距離なのに子供みたいに大きな声で史澗くんを呼んだ。呼ぶとすぐぎゅっと抱きしめてくれて悪戯っ子みたいな表情をしてそっと服の中に手を入れながら撫でてきて僕の弱いところに触れる。声が出そうになるのを必死に堪えた。その姿に面白くなったのかさらに際どいとこに触れてくる
「どしたのぉ?垓くん」
甘い声で囁きながら。もう声も我慢できそうになくて体を反転させると史澗くんに電話を押し付けた。史澗くんの肩に顔を埋めて声を押し殺す。着信の相手を確認すると史澗くんはにやりと笑った。
「マイク。久しぶり」
電話の向こうからマイクの焦った声が聞こえる。マイクは史澗くんの大ファンだ。ていうか僕と史澗くんの関係のだけど。今のパートナーと出会う前は史澗くんと僕のことを想像しておかずにしてたりした姿を何度か目撃したことがあって史澗くんが巫山戯て誘ったりしたこともあったけどそれならと僕らの愛し合う姿を観ながらいろいろさせてくれと土下座までされた。それで何度か僕らの行為を見せていたのだけど…今考えるとなんてことしていたんだと思うけどまぁ若気の至りって事で勘弁して欲しい。
とは言えマイクは僕らに直接触れたいとか触れてほしいという感情はなかったみたいだった。
今頃電話の向こうのマイクは下半身が大変なことになってそうだ。だって多分僕の今必死にこらえてる息遣いだって聞こえているでしょ?
「しっ!史澗さまっ!!」
「相変わらずだねマイク」
史澗くんが必要以上に色気たっぷりな声でマイクの名を呼んでその声に僕も反応して史澗くんに思わず下半身を擦り付けて軽くイッてしまった。それを見ると嬉しそうにしてマイクにも聞こえるようにリップ音を出してさらに攻めてきた。
その状況を察したのかマイクが変な声を出した
「あわわわわっ!」
「二人は元気だった?」
そんな状況もお構い無しで史澗くんが会話を続けた
「はい!お二人とも見目麗しく…」
「俺たちの子供だからね。それは当然でしょ。どんな様子だった?」
「万里さまが記憶を取り戻したと言う感じではありませんでした。しかしお二人は互いを想い寄り添っていました。きっと万里さまは千里さまを愛していると言うことを本人は無自覚だとしても忘れていなかったのでしょう」
「そう。…」
史澗くんは本当に嬉しそうに目配せすると微笑んだ。
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