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「な、あ…ふうぅ……んん…。」
反論しようにも唇が塞がれてどうしようもない。逃げても逃げてもぬるりと泰示の舌が追いかけてくる。混じった唾液が珠一の口端から零れ首筋を伝う。ぷはぁ、大袈裟に唇を離した泰示の目には赤く潤んだ煽情的な珠一の顔は映る。
「妄想げな甘過ぎやし…」
「いの、う…」
「やべぇ…珠一、エロすぎ」
そしてまた噛みつくようにキスをされる。呼吸も荒くなる。
解放されて思考の許容がオーバーしすぎて珠一から出た言葉は間抜けだった。
「カルーア…甘…」
「珠一は煙草と焼酎ん味…辛 ぇ…」
「お前…なして、こげんこつ…」
ガタガタと体が震え始めた。珠一は初めて泰示に恐怖心を抱いた。その恐怖を指先で受信した泰示は眉を下げて絡めている珠一の指を自分の口元に持っていくと「チュ」と口付けた。
「珠一が好き、高校ん時に初めて会 ぉた時からずっと、珠一んこつ好いちょった」
あまりの衝撃 で指を解放されても珠一は抵抗出来ずにポカンと泰示を見上げた。
「井上?お前呑みすぎたんやろ?悪 ぃこつは言わんけん寝れ」
「俺、本当 は酒弱くねぇき」
「……は?」
「酔っちょくと珠一が心配してくるるき、ワザと下戸んフリしちょった」
「……何を、言いよる、と?」
珠一の顔は段々と温度が下がって青ざめていくのが珠一自身にもわかった。ニヤリと口角を上げた泰示の顔は見たことのない淫靡な。
ローテーブルに置かれた珠一の飲みかけの焼酎グラスを手に取るとグイッと呑み、瓶の焼酎をコップに継ぎ足した。
「珠一、乾杯♪」
泰示は怪しい笑顔でそう言うと、ストレートの麦焼酎を珠一に口移しで飲ませた。
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