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第5話

無言で連れていかれ、無言でついて行った先は寮の最上階。 上位者だけしか入れない階だ。 当然のように、最上階直通エレベーター 寮といっても見た目は完全に超高層マンションで学校を一望できる程度の高さはある。 寮の構造を説明すると、ワンフロアに2部屋ずつの35階建て。 それが3つ連なっていて2年の寮となっている。 カースト上位者は3つの塔のうちどれか1つの塔の最上階を所有することが出来る。 3つの塔は渡り廊下で繋がっており直ぐにとなりの塔に移動もできるってわけ。 渡り廊下は4個あって最上階と、15階らへんで繋がっている。 そんでもって俺達が今いるのは真ん中の塔の最上階。 表札には麦野って書かれていた。 金髪さんがそのまますたすたと部屋の中に入っていったので、俺達は戸惑いながらも後をおった。 中に入ってみると、さすがワンフロア全てなだけあってものすごく広い。 加えて1面鏡張りの壁もあるので開放感が半端じゃない。夜景とかめっちゃ綺麗なんだろうな。 部屋の中でキョロキョロしてたら金髪さんに座っといていいと言われた。 まぁ逆らえないので大人しくソルトと座っておこう。 「ソルト、座っていいだってさ」 「ん、りょかい」 金髪さんは無言でキッチンに入っていくともう1人の不良さんを呼んだ。髪の毛の色が茶色いので茶髪さんと呼ぼう。 金髪さんと茶髪さんはそれぞれ2つずつコップをもってキッチンから出てきた。 金髪さんは片方を俺の方に、茶髪さんはソルトの方に渡した。 「ぁ、ありがとうございます…」 「ん」 「あざっす!」 「いいえ〜」 お茶をもらって一息つけた。 少し肩を張っていたみたいだ。 「じゃ、とりあえず自己紹介しようよ!」 「…そうだな……麦野 陽向。カースト2位。この部屋は俺の部屋だ。」 「俺は葉栗 秋(ハグリ シュウ)ね。カースト3位。左側の塔に住んでるよ〜。」 「えと…佐藤 亜幸です…」 「塩崎 律ですっ」 麦野陽向さん… 髪の色と名前がピッタリでキレイだと思った。 カースト2位だって…やっばいなぁ 現実味がない。 「ねえねえ、ずっと気になってたんだけど、ソルトって何?」 楽しそうにニコニコしながら聞いてきた。葉栗 秋さん、か…ソルトのことを指名してた人。すごいイケメンなこと以外謎だなぁ。 「あ、えと、あだ名…です」 「あだ名??」 「塩崎なんで…塩、ソルトです」 「じゃあもしかして、佐藤くんはシュガーとか??」 「は、はい…」 「うはっ!まじかぁっ!いいね!可愛いねぇ」 「えと…」 「じゃ、これからはソルトちゃんとシュガーちゃんだねー…んーそだな、俺達は…ハクとムギでいいよ」 「ムギさん…」 「ハクさんっすね!」 ムギさんと言ったのは俺。 ハクさんと言ったのはソルトだった。 なんかくすぐったいなぁ。 ムギさんは少し微笑んで「同い年だぞ」と言った。 「カースト上位者の事を呼び捨てで呼べるわけないじゃないですか…!」 「そうか?」 「そうなんです!」 「ククっ。そっか」 な、なんじゃ、この人は!! 笑ったぞ!イケメンだった!! 思ってるよりいい人なのかもしれない。 やっぱり少し怖いけど…! 少し喋って、みんな馴染んできたかなっていう頃合にハクさんが立ち上がった。 「じゃー、長居するのもあれだし、俺達部屋戻るね」 「あ、ハクさん俺もっすか?」 「もちろんっ!こっちおいで〜」 「じゃ、シュガー、またな。ムギさんお邪魔しました!!」 「あっ、うん。また」 「ムギ、シュガーちゃんまたね。」 「おー」

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