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第13話
「シュガー、無理して食べなくてもいいからな?」
「大丈夫です、すっごい美味しいんで」
「それ関係あるのか…?」
えぇありますとも、大いにありますとも。
というような感じで美味しさに踊らされ調子に乗った俺は、残してもいいと言われたのに自分の胃を無視し、全て食べ切ったのである。
「…お前、食べすぎたらお腹壊すタイプじゃねーの?」
「よくご存知ですね!その通りです!」
俺の反応を見たムギさんは盛大な溜息をつき、無言で胃痛薬と頭痛薬を持ってきた。
胃痛薬は分かるけど、なんで頭痛薬まで?
「??胃痛薬は一応!もらっときますけど、なんで頭痛薬まで?」
「持っとけ…何があるかわかんねーぞ」
「…大丈夫です!俺そこまで病弱じゃないんで!」
「…いいんだな?」
「はい!!」
なかなか引き下がらないムギさんに屈託のない笑顔を見せたら、なぜかまた溜息をつかれた。
なんでだ?
考えるのがめんどくさくなった俺は、呆れ顔のムギさんから意識を外し、今日の昼ごはんについて考えることにした。
「あ、シュガー。昼飯だけど…」
「っっ?!」
「なんだよ…」
俺の考えを見透かされているみたいで、びっくりした。
うん。
びっくりしただけ。
それだけ。
それ以上でも以下でもなく、ただただびっくりした。
「いや…なんでもない…です」
「そお?ならいーわ。
で、昼飯だけどお弁当箱ねえから1回寮まで帰ってこれるか?」
「俺は大丈夫ですけど…」
「けど?」
「ムギさんはそれで大丈夫なんですか?」
「は…?俺?」
「え、あ、はい…めんどくさくないかなぁって」
ムギさんは、一瞬動きを止めたもののすぐに動き出してゲラゲラ笑いだした。
え?俺なんか変な事言った?
「ははっ!ん、ありがとな。俺は全然へーきだよ。シュガーちゃん」
「いきなりちゃん付けで呼ぶの辞めてください!
てか、何がそんなに面白かったんですか?」
「拗ねんなって…
いやぁ、俺から誘ってんのに逆に心配されたから…バカだなぁって」
「なっ!!!バカじゃないです!アホなんです!!!」
「だから、一緒だって言ってんだろばぁか」
俺はバカじゃない!
なのになぜこんなにバカにされてるんだ?!
あぁ!バカだからか!納得納得!
…じゃねーよっっ。
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