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第15話

「あ、俺の勝ちですか?! 帰りジュース待ってますね!」 「まてよ…なんの勝負だよ…」 俺もムギさんもおかしくなって、ケラケラ笑ってしまった。 「ムギさんから言い出したんですよ?」 「そうだったか?忘れたわ」 「とりあえずお腹に優しいジュースお願いします。暖かいので!あ、フラグとかじゃないんで」 「…気が向いたらな」 「えへへ、じゃ、待ってますね!!!」 にかっと笑って、きっと買ってきてくれるであろうムギさんに笑顔をみせる。 「ん、いい子でな」 ムギさんもそんな俺に優しい微笑みをみせた。 俺達はここが教室の扉ということを忘れていて普通に話していたけど、周りから見ればそれはかなり異様な光景だったらしくなんか、ものすっごい目で見られていた。 まぁそりゃ、学校1の不良様となんの取り柄もない俺じゃそうなるか。 なんか、この視線しんどいんだけど…はやくソルト来ないかな… 「ちゃす」 「あ、ソルトぉぉ…」 「おは」 「おはよー」 んん!ナイスタイミング! さすが空気の読める爽やかイケメン! 抜かりなっしーだな…! 抜かりなっしー、ふなっ〇ー… うん、何も言わないで… 「ソルトくーん!! あ、シュガーちゃんおはよ〜。 ソルトくんこれあげる〜。 昨日買ったんだけどね、俺あんまし好きじゃなかったから」 「あ、ざす…」 「うふふっ。全然だよ。 じゃ、俺行くねー。俺とムギはだいたい暇だから好きな時に連絡してね。 ほとんどクラスにはいないけど一応4組って事になってるからね。」 「あ、了解です」 「じゃあね〜」 優しく手を振っているハクさんに、控えめに振り返してからソルトの手元を見た。 ソルトの手に握られてるのは新作のお菓子だった。お菓子の袋が不思議な色をしているのは気の所為だろうか? 「…シュガー、食べる?」 明らかに食欲をそそらない色をしているパッケージを前に、進んで食べようとはおもえない。 「え、いらな「はい、あーん」 「んごっ…」 まって、俺欲しいとか言ってない。 ちゃんと拒否した。 しかもこれはあーんと言わない。 思っいきり無理矢理突っ込まれた。 あ、意味深とかないから…!! てか、このお菓子… 「まっっっっず…」 「あ、やっぱ?」 「何これ…何味…?」 「カルボナーラ風味のバナナ味」 「なんだよそれ…」 やばいだろ、 カルボナーラ風味のバナナ味って…! どういうマッチング? おかしいって!!まずいに決まってんじゃん…! 腹いせにソルトにもお菓子を突っ込んであげたところ、苦虫を噛み潰したような顔をしていた。 笑える。 ケラケラ笑っていたら、既に通常運転に戻っているソルトに肩パンを1発くらい、俺が小さく悲鳴を上げた。 いや、最初に始めたのソルトじゃん!! なんで俺が結局苦しんでるわけ! ねえ!!無視すんなよ! って声に出してないんだから無視するもクソもないか! 「予鈴なったぞ。席付け〜」 「あ、せんせ!このお菓子いりますか?」 お、おいソルト… お前は一体何を考えているんだ? そんな人当たりのいい笑顔を作って何を考えているんだ? …俺が考えていることが当たらないことを願っとく 「おー、なんだなんだくれるのか?」 「すきなだけとってください!」 「じゃ、お言葉に甘えて…」 先生がソルトからお菓子をもらってから口に含むまでの間、誰もが固唾を呑んで見守った。

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