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第16話
先生が口に含んだ瞬間、ソルトは笑いが堪えられなくなったのか、
んっ…んんっ、
とわざとらしく咳払いをしていた。
「うわっ…まっず!」
眉間に皺を寄せた先生をみてケラケラ笑うソルト。
果たして高校生でこんなのが許されるのか…
「あははっ!ドッキリ大成功〜!」
「塩崎…お前後で職員室にこい…」
「あ、さーせん!無理っす!
俺今日部活なんで!!
学生の基本は勉強と部活動ッスよね!
優先順位っす!!」
「お前…覚えておけよ」
「んふ…覚悟して待ってますね」
ソルトがここまで先生を煽るのは、
先生がそういうノリのいい先生っていうのと、
元々ドッキリとかしょーもないイタズラを仕掛けるのが大好きだからだ。
こんなでかい体しといてイタズラ好きとか…
可愛いかよ…
あ、イケメンだったな。
イケメンは何しても許されるから凄いよな。
「は〜…学級委員ー、号令」
「きりーつ、れーい」
『ざっーす』
「はよ、今日は────」
と、先生が話し始めたところで俺の集中力は切れた。
そこ、早いとか言わない。
窓の外を眺めているといつの間にかHRが終わっていて、先生が教室を出ていった。
入れ替わりで他の先生が入ってきた。
確か1限目は国語だったような気がする。
勉強は嫌いではない。
…好きでもないけど。
国語は、得意である教科の中の1つだ。
中の1つ、って言っても俺が得意なの国語と理科だけなんだけどね。
そう、国語と理科。
この2つの教科のせいで、俺は進路に悩まされた。
なんでこう綺麗に文系理系なんだ。
なんて誰も興味無いか。
学級委員の号令があり、すぐに授業が始まった。
そして心做しかお腹が痛くなってきた気がする。
…まぁ、気づいていないということにしておこう。今は授業が最優先事項だ。
何事もなく授業が進み、特に面白いことも無く授業が終わろうとしていた。
まぁもし問題を上げるとしたら俺のお腹の痛み。
時間が経過すると共に、俺のお腹は悲鳴をあげていた。
授業の進み具合と俺のお腹の痛みは比例しているってか?
やかましいわ。
今は国語だって。
もーほら、変な事言ってたら授業終わるじゃん…
いーや、黒板だけ写メって寮でゆっくりノートとろ。
んー、便利な世の中だね。
ま、こんなことしてるから賢くなれないんだよな〜…
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